「埒外」の意味
「埒」とは物事の決まりや区切りという意味を持ちますので、「埒外(らちがい)」とは対象外、対象の範囲外、外側という意味を持ちます。
他にも牧場などの柵や駅などの場所の区切りとして作られる柵のことも指します。また、「埒が明かない」という言葉で使われるので聞いたことがある方も多いでしょう。これは、物事の決まりや区切りがつかないという意味です。
「埒外」の由来
現在では、牧場や場所を区切る仕切りという意味で「埒」が使われ、転じて、物事の区切りという意味で使われていますが、もともとは、競馬場で馬を入れないようにしておく柵を「埒」と呼んでいました。
つまり、「埒外」は、馬がいる柵の外側の事をいい、それが転じて、対象の範囲外という使い方をするようになりました。「埒が明かない」というのは、競馬で馬を引き入れる柵が明かない、そこから転じて、物事の決まりがつかない様という意味を持つようになったとされています。
「埒外」の使い方
「埒外」は対象外や範囲外という言葉の代わりとして使います。
- 「彼の行動は私の想像の埒外にあった」
- 「彼の立場は権力争いの埒外におかれていた」
- 「この土地は戦争の埒外だったため被害はなかった」
このように外側という意味で比較的汎用性のある言葉として使われます。
「埒外」の類語
蚊帳の外
類語としては「蚊帳の外」という言葉がよく使われます。「蚊帳の外」とは部外者の立場におかれること、物事に関与できない立場におかれること、という意味で良い意味で使われる言葉ではありません。使い方次第では良い意味にもなる「埒外」とは違い「仲間外れ」という意味合いを持っています。
例外
「例外」という似ている言葉がありますがこれは一般の例から外れていること、普通の原則に当てはまらないことという意味でつまりは「一般の例の埒外」ということで「埒外」よりも狭い範囲の意味で使われます。
圏外
「圏外」という言葉も類語としてあり、これは対象の範囲外という意味で「埒外」の代わりとして使える言葉です。どちらかというと「埒外」よりこちらの「圏外」のほうが馴染みがあるかもしれません。どちらを使用しても問題ありません。
他に代わりとして使うならば「対象外」「範囲外」「関心の外」「注意の外側」という言葉を状況に合わせれば「埒外」の代わりとして使用できます。
「埒外」のまとめ
「埒外」という言葉の意味や使い方をご紹介してきましたが参考になりましたでしょうか。「埒」という言葉には馴染みがあっても「埒外」という言葉はあまり馴染みがなかったのではないでしょうか。物事に区切りをつけることは大切なことですので何を「埒外」におくべきかはよく考えていきたいですね。