「許可が下りる」の意味
「許可が下りる」とは、「(何らかの事物について)それをしてよい、使ってよいと権利者から通知されること」という意味の言い回しです。
この場合の「下りる」は、物理的位置とは関係がなく、役所など、目上の個人・集団から、ある事物について扱う許可が「下される」というニュアンスです。「裁判所の決定が下される」などの「下」と同様ですね。
「許可を出す権利者」は、「許可を求める主体」よりも立場が上であることが一般的であるため、許可が「下りる」という言い回しをするわけです。なお、「降りる」は誤用ですので注意しましょう。
「許可が下りる」の使い方
「許可が下りる」という言い回しは、許可を求める側が、許可を出す立場にある権利者に対し、「申請、願い、求め」を行うといった文脈とともに用いるケースが多いです。
社会にはさまざまな契約や決まり事が存在し、さまざまな個人・集団がそれぞれの財産およびそれにまつわる権利を持っています。よって「許可」を求めたり、それに応じたりする場面は、ビジネスをはじめとして、あらゆる局面にあると言えるでしょう。
なお、「建築許可が下りる」などのように、熟語的に「〇〇許可」という表現が用いられることもあります。
例文
- この公園では、行政からの許可が下りれば、キャンプファイヤーや花火など、普段はできない催し物ができる。
- これまでの研究実績が認められ、国から遺跡の発掘許可が下りた。さっそく作業に取り掛かろう。
- 動植物の生態研究のため、何度も島に上陸する嘆願書を出しているのだが、安全上の理由などによって、政府からなかなか許可が下りない。
「許可が下りる」の英語表現
英語には「許可、許し」に相当する単語がいくつかありますが、「許可が下りる」と言いたい場合には「receive permission」か「permission (is) granted」が良いでしょう。
もし、公的な書類などで「(正式な)承認が得られた」といったフォーマルなニュアンスを出したい場合には、「permission」の代わりに「approval」を用いることもできます。
ただし、「営業許可」(shop license)や「入学(入場)許可」(admission)のように、「許可の種類」によっては「permission」以外を使ったほうが適切である場合もあります。
例文
- At last, we received a building permission from the city.(ようやく市から建築許可が下りた)
- I received approval to open a cat cafe at this place.(この場所で猫カフェを開業する[正式な]許可が下りた)
- The admission was granted with a ticket I had struggled to obtain.(苦労して手に入れたチケットで、入場許可が下りた)
「許可が下りる」の類語表現
「許可が下りる」の類語としては、以下のような表現が挙げられます。いずれも、許可を出す立場にある人や団体に対して使うことがポイントです。
- 許可される
- 承認される(承認を受ける)
- 認可される(認可を受ける)
- お許しが出る
これらの他にも、「許可を求める側の申請や求めが…」という文脈が前にあれば、「了承される(了承を得ている)」「認められる」「許諾される」「聞き入れられる」といった表現も「許可が下りる」の類語たりえるでしょう。