「予断」の意味とは?
「予断」は、「前もって判断すること」を意味する名詞です。「前もって判断する」と言っても、「予断する」などの表現では、「最初から決めつける」というニュアンスも含んでいます。
「予」は、音読みで「ヨ」、訓読みで「あらかじめ」「かねて」と読みます。「予」は、「自分」や「あたえる」など複数の意味を持つ多義語ですが、「予断」の「予」は、「前もって」という意味を表します。「予断」と同様の使い方に、予報や予知、予習といった言葉もあります。
「断」は、音読みで「ダン」、訓読みで「ことわる」「たつ」のほか、「さだめる」とも読みます。「さだめる」は、「決める」という意味と同義です。「断定する」という言葉を思い浮かべてもらえれば、イメージしやすいかもしれません。
「予断」を用いた例文
「予断」は、単独でよりも、「予断を許さない」「予断をもって」のように、一連のフレーズで用いられることが多いのが特徴です。そして、その多くが否定文であり、前もって自分勝手に判断することを戒めるような文脈で用いられます。
- 今年のペナントレースの行方は、まったく予断を許さない状況だ。
- 業者の選定に予断を持って行うのは、避けなければならない。
- 実際にしたこともないのに、新しい仕事に予断を持つべきではないよ。
- あの人が悪人だと、安易に予断するべきではないと思う。
「予断」の類義語
- 臆断(おくだん)…確実な根拠もなく、推測で判断すること
- 推断(すいだん)…事態をおしはかり、判断を下すこと
- 推定(すいてい)…一定の事実を元に、おしはかって決めること
- 予測(よそく)…将来の出来事や状態を前もっておしはかること
- 予想(よそう)…これから起こることについて考えをめぐらし、おしはかること
- 予期(よき)…あらかじめ期待・覚悟すること
ここに挙げた類義語のうち、はじめの三つは、「断」や「定」が含まれているため、「決める」「判断する」の意味が含まれ、後の三つは、「前もって」の「予」が含まれているのが特徴です。
「予断」を英語で表現すると?
「予断」を英語で表したものには、「prejudgment」や「prejudication」が挙げられます。これらには「前もって」を表す「pre-」という接頭辞が付いており、「予断」の英訳としてよく使われます。
また、「unpredictable(予測不可能な)」「require caution(=注意を要する)」「not allow optimisim(=楽観視を許さない」を「予断を許さない」の英訳として使用されることもあります。
- This year's economic situation is unpredictable.(今年の経済情勢は、予断を許さない状況だ。)
- I did not talking with prejudgment.(私は、予断を持って話してはいませんでした。)