「野暮ったい」とは
「野暮ったい(やぼったい)」とは、「野暮な感じがする」ことです。では「野暮」とはどういうことでしょうか?
「野暮」とは
「野暮」は、「世情に疎くて人情を機微を理解できない・融通が利かない」「(趣味や言動が)洗練されていない・垢抜けていない」などの意味を持つ言葉です。
つまらない用事を指す「野暮用」や、極めて野暮な人・とても野暮な様子を表す「野暮天」などの複合語としても用いられます。
「野暮ったい」の意味
以上のことから、「野暮ったい」とは「洗練されていないさま・垢抜けないさま」を指す言葉であることがわかります。簡単に言えば「ダサい」ということですから、褒め言葉ではないわけですね。
ただし、垢抜けていない感じが逆に可愛いことを「ダサ可愛い」というように、「野暮ったさがむしろ良い」と俗用されることはあるようです。
「野暮ったい」の使い方
「野暮ったい」はファッションやデザインなどに対して多く用いられますが、人の印象や雰囲気、あるいは、言動や趣味に使うこともあります。
【使用例】
- 都会暮らしが長い兄は随分と垢抜けていたが、上京したての弟は野暮ったい青年だった。
- 高校時代は野暮ったいあの制服が大嫌いで、よその学校と見比べて恥ずかしく思っていた。
- 彼の作品は野暮ったいけれど、どこか温かみのあるデザインだった。
- 彼女は目鼻立ちは整っているのに、髪型だけはいつも野暮ったい。
- あまり言葉を重ねてしまうとかえって野暮ったい文章になってしまう。
「野暮ったい」の類語
「無粋(ぶすい)」は、粋ではない・人の心の機微を解さないことを指しますから、「野暮ったい」とほぼ同じ意味です。また、「無風流(ぶふうりゅう)」は、趣味が洗練されていない・風流を解さないことですから、「野暮ったい」に近い言葉と言えます。
このほかにも、「野暮ったい」の類する言葉には、「垢抜けない」「洗練されていない」などを表す次のような語が挙げられます。
- 田舎臭い:田舎風で洗練されていない。
- 不細工:体裁が悪い。
- 冴えない:面白みがない。
- もっさり:垢抜けない。ぼんやりとして気が利かない。
- 俗っぽい:ありふれている様子。
- 古臭い:時代遅れ。新鮮さがない。
「野暮ったい」の関連語
「野暮ったい」の反対の意味に相当する言葉には、「垢抜けた」「洗練された」に通ずる、次のような語が考えられます。
- 粋(いき):垢抜けていて色気がある。
- 洒落た:世情に通じて垢抜けている。
- ハイカラ:流行の最先端の。気が利いている。洒落ている。
- スタイリッシュ:流行にあっている。洒落ている。
- スマート:洗練されている。
- 都会的な:都会風で垢抜けている。
- イケてる:かっこいい。洒落ている。
「野暮ったい」の英語表現
外見が野暮ったい
「(服装などの)外見が野暮ったい」であれば、流行遅れ・古臭い・恰好よくないなどの表現を用います。
【使用例】
- His suits goes out of fashion.(彼のスーツは流行遅れだ)
- She wears frumpy clothes.(彼女は古臭い服を着ている)
- The professor was not dressed smartly.(教授の着こなしはスマートではなかった)
- That's not cool.(それはクールじゃないね)
印象が野暮ったい
「(人や建物などから受ける)印象が野暮ったい」ことを表すには、面白みのない・洗練されていないといった言い回しを使うと良いでしょう。
【使用例】
- They are so stodgy.(彼らは非常に面白みがない)
- His music is uncool.(彼の音楽はクールではない)
- An unrefined woman stood at the entrance.(洗練されていない女性が入り口に立っていた)