「もっさり」の意味とは?
「もっさり」は副詞で形容詞や動詞を修飾する言葉です。「もっさりする」・「もっさりした」というように使われます。意味は主に5つあり、それぞれの項目に分けて説明します。
1.外見が野暮ったい
「もっさり」は人の外見を表す意味で使われます。「野暮ったくて垢抜けない様子」・「姿形の見栄えが悪いこと」・「世の中の流れに疎くて流行遅れの格好」など、からかうニュアンスを持った悪い意味合いが感じられます。
【使用例】
- 今時あんなもっさりした格好の人はいないよ。
- 表彰式に出るときには、もっさりしたスーツは着ないでね。
2.ぼんやりしていて鈍い
「もっさり」は人の性格や気質を表す時にも使われます。「ぼんやりとしていて反応が悪い」・「ぼんやりしていて鈍く気が利かない」・「のろまで行動が遅い」など、あまり良くない意味です。
【使用例】
- あの人はもっさりしていて、お客が来ても挨拶一つ言わない。
- もっさりと立っているだけで、話しかけても黙っている。
3.髪の毛が多く厚い状態
「もっさり」は元々「髪の毛が多くて厚みがある様子」や「毛深くなっている様子」を指します。現在ではファッション雑誌やサイトなどで、「ボリュームが抑えられずにうっとうしい髪」・「髪が伸びすぎてだらしなく見える様子」を表す時に使われる例が多くなっています。
【使用例】
忙しくて美容院に行けずに、前髪がもっさりしてきた。
まとまりが悪く、もっさりした髪型になっている。
4.物が盛られている状態
現在ではあまり使われていませんが、「もっさり」には「積み上がってこんもりと盛り上がっている様子」を表すこともあります。どちらかと言うと、不用な物を集めて高く積まれている時に使うことが多いと思われます。
【使用例】
枯れ葉がもっさりと置かれている。
いらない木を刈って、もっさりとひとかたまりに集めておく。
5.パソコンやスマホの動きが遅い
比較的新しい意味で、ネットスラングの一種となります。「パソコンやスマホの動きや反応が遅いこと」を「もっさり」という言葉で表す例が増えてきました。人の性格を表す「気が利かずに鈍い様子」を、パソコンやスマホに当てはめて使うようになったと思われます。
【使用例】
スマホに新しいアプリを入れたら、もっさりしていらつく。
Windows10搭載のパソコンに替えたら、動画を見てももっさりしなくなった。
「もっさり」の語源
「もっさり」は江戸時代から関西方面で使われていたと見られています。「数が多いこと」・「大量」を表す「どっさり」形が何らかの理由で変化して「もっさり」になったと見られています。
「どっさり」と同様に「もっさり」も数が多いことを指すのですが、「不愉快に感じられる物」や「見てくれの悪い物」などの悪いイメージの物が大量にある時に使われたということです。
「もっさり」に馴染みがない人もいる
関西方面から日本全国に「もっさり」という言葉が広まるのは2000年代以降です。パソコンやスマホが個人に普及するに従い、若い世代を中心に「スマホの動きが遅い」という意味で、ネット書き込みなどで使われるようになりました。現在では、髪型などでも用いるようになっています。
ただし、あまりデジタル機器を使っていない年齢層の中には、「もっさり」と言われても意味が良くわからないという方もいるようです。
「もっさり」の類語
「もっさり」の類語を5つ紹介します。それぞれの意味ごとに例を挙げます。
1.ダサい
「ダサい」は格好が悪い・垢抜けない・流行遅れという意味で使います。
【使用例】
- 今時「ナウい」なんてダサい言葉は使わないよ。
2.トロい
「トロい」は、動作や頭の働きが鋭くない、鈍くてのろいことを指します。
【使用例】
- あの人は一見トロいように見えるけど、実は頭の良い人だから気をつけてね。
3.ぼさぼさ
「ぼさぼさ」は髪の毛などが無造作で見苦しく乱れている様子を表します。
【使用例】
- 髪がぼさぼさでみっともないので、美容院に行ってカットしてきた。
4.うずたかい
「うずたかい」とは、「物が積み重なり、高く盛り上がっている状態」を言います。ただし、この語句は「気品がある」という意味でも使われるので、前後の文脈で間違えないように注意が必要です。
【使用例】
- マウンドがぬかるんでいるので、土をうずたかく積んで足元を安定させた。
5.動作が重い
「動作が重い」とは、スマホやパソコンなどの動きが悪くて反応が鈍いことを言います。
【使用例】
- スマホの動作が重いので、キャッシュをクリアしたら動きが良くなった。