「憶測」の意味
「憶測」は「おくそく」と読みます。「物事の事情や人の心をいい加減におしはかること、当て推量」を意味する言葉です。
日常的にニュースを見たり、新聞を読んだりする人には馴染みの深い言葉かもしれませんね。「臆測」と書く場合もありますが、意味は同じです。
「憶測」の使い方
「憶測」の使い方を例文を用いて見ていきましょう。
- ネット上にはありとあらゆる事柄に関する憶測が飛び交っている。特に政治家や芸能人といった有名人に関する憶測は目に余る。
- 彼女は外見が派手なために、あらぬ憶測をされてしまうこともあるが、根は真面目で本当にいい子だ。
- 私が泣いてたからって彼氏に振られたなんて揣摩憶測をして勝手な噂を流すのはやめて、花粉症で涙目になっていただけなの。
「揣摩憶測(しまおくそく)」または「揣摩臆測」とは「人の心や事情をあれこれおしはかること」という意味です。「揣摩」自体にも「あれこれおしはかる」という意味があり、同義語を重ねた四字熟語です。
「憶測」の類語
「推測」
「推測」と「憶測」には「おしはかる」という共通点があるため類語と言えます。両者の違いは、「推測」が単に「おしはかること」を意味するのに対して、「憶測」は「根拠もなしにいい加減におしはかること」を意味する点です。
- 目の下にクマができている彼の顔を見て、クラスメイトは「徹夜で勉強してきたのだな」と推測した。
- 推測するに、彼はもう眠ってしまったのではないだろうか。LINEの既読がつかない。
- 科学者を名乗るなら、推測で物を語るな。実験による確かなデータを集めなさい。
「忖度」
「忖度」は「そんたく」と読みます。意味は「他人の心中をおしはかること」です。少し前にテレビで連日のように使われていた言葉ですので知っている人も多いでしょう。
現代社会において「忖度する」とは「上司や目上の人の気持ちを察し、配慮する」という意味で捉えられています。しかし本来の意味は先に書いた通りで「憶測」や「推測」に近い言葉なのです。
【例文】
- サッカーの決勝戦で我々は大勝を飾った。しかし対戦相手に忖度してガッツポーズはほどほどにしておいた。
- 彼女の気持ちを忖度して声をかけずにいたのだが、余計なお世話だと怒られてしまった。
- 他人を過度に忖度することは、時に相手を傷つける場合もあるのではないか。
「憶測」の対義語
「断定」
「断定」は「だんてい」と読み、このような意味があります。
- はっきり判断を下す事。またその判断
- ある命題の真偽をはっきり言明すること
「憶測」が根拠の無い事柄をもって事情をおしはかることに対して「断定」は確固なる自信を持って判断することです。
- 彼の模試の結果を見れば、彼が勉強を全くしてこなかったと断定できる。
- 彼女の身なりだけで彼女を不良と断定するのは早計ではないだろうか。
- この子は正真正銘私たちの子供であると科学的に断定された。
- 彼はこの問題の答えが1つしかないと断定していたが、私はもう1つの解があると考えている。