「際限」の意味とは?
「際限」は「さいげん」と読み、「物事の状態の最後のところ」や「果て」という意味を表す二字熟語です。
「際限」で用いられている「際」や「限」にはどういった意味合いがあるのでしょうか。まず、これらの漢字が持つ意味をしっかりと押さえておきましょう。
「際」の意味とは?
「際」という漢字はふだん、「交際」や「実際」などのことばで目にすることが多いのではないでしょうか。「交際」の「際」は、交わりや関係を、「実際」で使われる「際」は、時期や場合を表しています。
しかし、「際限」という熟語で使われる「際」は、上の2つとは違います。この場合の「際」は、「きわ」や「境目」という意味です。
この意味で用いられている「際」を含む熟語には、山際(やまぎわ)や金輪際(こんりんざい)などがあります。
「限」の意味とは?
「際限」の「限」は、「区切り」や「範囲」を指しています。同様の意味で用いられている熟語は「限界」や「制限」、「門限」などです。いずれもよく目にするものばかりですね。
「際限」を用いた例文
「際限」は、「際限なく」のように否定語とともに用いられることがほとんどです。両者が結びつくことによって、「終わりというものがない」という意味になります。
- このまま譲歩ばかり続けていると、相手国からの要求は際限なくエスカレートしていきますよ。
- 彼の食べっぷりの良さといったら、まさに際限がないという表現がぴったりだ。
- いくら心配してみても際限というものがないので、何も考えないことに決めたよ。
「際限」の類義語・類似表現とは?
「際限」の類義語
「際限」のように、「果て」を意味する言葉には、次のようなものが挙げられます。
- 極地(きょくち)…果ての土地。特に南極・北極。
- 極点(きょくてん)…これ以上進めない最後の地点。
- 頂点(ちょうてん)…物事が一番盛んなとき。絶頂。
また、それらのうち、「際限なく」のように、否定語を伴って用いられることがある言葉には、次のような言葉があります。
- キリ…最後のもの。最低のもの。→「キリがなく」
- 限界(げんかい)…これ以外、これ以上はないというぎりぎりのところ。→「限界がなく」
- 制限(せいげん)…物事の限界を定めること。→「制限がなく」
「際限ない」の類似表現
- 延々と(えんえんと)…途切れることなく長く続くさま。
- とめどなく…とどまるところのないようす。
- 絶え間なく(たえまなく)…途絶えている間のないようす。
- のべつ幕なし(のべつまくなし)…絶え間なくつづくこと。
- ひっきりなし…絶え間のないこと。
「際限」を英語で表現すると?
「際限」と同様の意味を表す英単語には、「limit」や「end」、「bound」が挙げられます。これらの意味はそれぞれ「限度」「終わり」「境界」です。
「際限なく」は、これらの単語に接頭辞や接尾辞を付けて「unlimitedly」「endlessly」「unboundedly」で表現することができます。
「un-」は、「~ではない」という否定の意味合いを表す接頭辞です。一方で、「-ly」という接尾辞には形容詞を副詞に変えるはたらきがあります。
「際限なく」の英語文例
- There is no limit to his greed.(彼のがめつさといったら際限というものがない。)
- We were tired of the endless debate.(我々は、際限のない論争に飽き飽きしていた。)
- His generosity knows no bounds.(彼の気前の良さは、際限というものを知らない。)