「行程表」とは
「行程(こうてい・ぎょうてい)」は、目的地までの道のり、旅の日程などを指しています。また、目標に届くまでの過程やプロセスを意味する比喩としても用いられる言葉です。
「行程表」の意味
よって、「行程表(こうていひょう)」は「旅行の道のりや日程を表にしたもの」「目標に至る過程をまとめたもの」という意味です。
修学旅行や友人との旅行のスケジュール表などは「行程表」のひとつです。また、ビジネスシーンで使われる、一週間の仕事の流れや出張中の行動などをまとめた表なども「行程表」に当てはまります。
「行程表」の語源
ところで、「行程表」という言葉は、英語の「ロードマップ(road map)」の対訳として、比較的新しく作られた言葉と言われています。
ロードマップは、ドライバーのための道路地図のこと。また、転じて、目標へ向かう道筋(手順書)、物事がどう展開していくかの計画表を指す言葉です。
「行程表」の使い方
「行程表」とはその日行動すべき項目が時間軸に沿って書かれたもので、「タイムスケジュール」「タイムテーブル」と呼ばれることもあります。
- 修学旅行の委員になった私は担任と協力して行程表を作り上げた。
- 上司から今週の行程表を作成するように指示を受けた。
- 先ほどの会議が押してしまい、行程表通りに進める事が出来なくなってしまった。
「行程表」と「工程表」についての考察
「行程表」と「工程表」、どちらとも読み方は「こうていひょう」なので違いをしっかり理解しておくと役に立つでしょう。
「工程表」の意味
「工程」とは、仕事や作業を進める上での手順やその進捗のことです。よって、「工程表」は次のようなもののことを言います。
- ひとつの物を加工していく過程を示した表。工程毎に、どのような処理を行うべきかが記されている。
- 作業において材料や労働力、期日などを管理する表のこと。作業の流れやスケジュールの把握などにも用いる。
「工程表」はさまざまなビジネスシーンで用いられていますが、建築業や製造業を思い浮かべるとわかりやすいかもしれませんね。おもに、物事をいつ・どうするかを可視化したものです。
「行程表」と「工程表」の違い
「行程表」にも「工程表」にも手順書といったニュアンスがあるため、両者の境界は曖昧です。敢えて違いを考えるのであれば、対象としているものが「人の動き」か「物事の動き」かにあるのかもしれません。
「行程」と「工程」の意味を考えれば、「行程表」は旅程を時間毎にまとめたもの、「工程表」は物を加工する段階をまとめたものが原義であると言えるからです。
この違いを把握しておけば口頭で「こうていひょうをお願い」と言われても、文脈からどちらのことなのか見当がつくでしょう。
「行程表」の作成方法
「行程表」を作る方法はたくさんありますが、手軽に作成するには次のような方法があります。
テンプレートの利用
「行程表」の作成方法のひとつは既存のテンプレートを利用する方法です。Microsoftの『旅のしおり特集 マイクロソフトオフィス活用総合サイト』では、数種類の「行程表」テンプレートが無料公開されています。
Excel、PowerPointを利用した事がある人なら、これらのテンプレートに少しの工夫を足すことでオリジナルの「行程表」を作成できます。また完成した「行程表」は、クラウドで 仲間と共有が可能です。
webサービスの利用
スマホやタブレットで簡単に「行程表」を作成できるwebサイトもあります。『行程さん』、『旅のしおり作成サイト またたび』、Yahooトラベルが公開している『girlip』などは、無料で利用可能なwebサービスです。
「行程表」の英語表現
「行程表」を英語で表現する場合、「itinerary(旅程)」がよく使われるようです。
(例文)
- I'd like to request an itinerary for our trip to Okinawa.Is that all right?(訳:沖縄旅行の行程表をお願いしたいのですが、大丈夫ですか?)
- I have reviewed the itinerary many times because I have a lot of important tasks to do business.(訳:今回の出張は大事な仕事がたくさんあるので行程表を何回も見直した。)
- It takes skill to write a itinerary on a computer.(訳:パソコンで行程表を書くにはスキルが必要だ。)
また、語源となった「road map(ロードマップ)」だけでなく、「program(プログラム・冊子)」も用いられます。