逞しいとは?逞しいの意味
体が頑丈で力強い様子、強い意志を持って挫けない性質、活力に満ち溢れている状態を表す形容詞
逞しいの説明
「逞しい」という言葉は、肉体的な強さと精神的なタフさの両方を表現できるユニークな形容詞です。例えば、がっしりとした体格の人がいれば「逞しい体つき」と表現し、逆境にもめげずに努力を続ける人には「逞しい精神」と使います。また、コンクリートの割れ目から力強く生える雑草のように、生命力の強さを讃えるときにも用いられます。この言葉の魅力は、単に「強い」というだけでなく、内面から湧き出るエネルギーや不屈の精神までを含むところにあります。日常会話では、鍛え上げられた肉体や、困難を乗り越える強い心を持った人に対して使われることが多いです。
どんな状況でも力強く生き抜く姿にぴったりの言葉ですね。自分もそんな逞しさを持ちたいものです。
逞しいの由来・語源
「逞しい」の語源は、「逞」という漢字に由来します。この漢字は「辶(しんにょう)」と「呈」から成り立ち、「呈」は「まっすぐ示す」という意味を持ちます。つまり、「思いのままに進む」「自分の意志を通す」という原義から発展して、現代の「力強くて意志が強い」という意味になりました。古くは「たくましい」という読み方以外に、「こころよい」(快い)という意味でも使われており、時間の経過とともに意味が変化・拡大してきた言葉です。
一言で強さを表せるのに、これほど深い意味を持つ言葉はなかなかありませんね。
逞しいの豆知識
面白いことに、「逞しい」は物理的な強さだけでなく、精神的な強さも表す数少ない形容詞の一つです。また、植物のたくましい成長を「逞しい」と表現することがありますが、これは人間以外の生物に対しても使える珍しい例です。さらに、ビジネスシーンでは「逞しい経営」のように、組織の力強さを表現するのにも用いられ、多様な文脈で活用できる柔軟性を持った言葉です。
逞しいのエピソード・逸話
プロ野球の王貞治氏は、現役時代に重いスランプに陥ったことがありました。しかし、毎日500本以上のバット振りを欠かさず、誰よりも早く練習場に来て、誰よりも遅くまで残るという「逞しい」努力で克服しました。このエピソードは、肉体的な強さだけでなく、精神的な忍耐力と意志の強さを兼ね備えた本当の意味での「逞しさ」を体現しています。また、冒険家の三浦雄一郎氏が80歳でエベレスト登頂を成し遂げた話も、年齢に負けない「逞しい」挑戦精神の好例と言えるでしょう。
逞しいの言葉の成り立ち
言語学的に見ると、「逞しい」は日本語の形容詞の中でも特に多義性の高い言葉です。形態論的には「たくま-しい」と分解でき、「-しい」は性質や状態を表す接尾辞です。意味論的には、物理的強度(身体的頑健さ)、精神的強度(意志の強さ)、活力的強度(生命力の豊かさ)という3つの主要な意味領域を持っています。また、この言葉は共起語として「体つき」「精神」「生命力」「成長」など多様な名詞と結びつき、文脈によって意味が微妙に変化する特徴があります。
逞しいの例文
- 1 仕事で大きな失敗をした後、落ち込まずにすぐに挽回策を考え出す同僚の逞しさに、いつも勇気づけられる
- 2 子育てと仕事の両立で毎日クタクタなのに、子供の笑顔を見ると不思議と逞しいエネルギーが湧いてくる
- 3 定年後も新しい趣味やボランティアに積極的に挑戦する父の逞しい生き方に、老後への不安が希望に変わる
- 4 コロナ禍で飲食店が大打撃を受けた中、テイクアウトやデリバリーで必死に踏ん張る店主の逞しい姿に胸が熱くなる
- 5 大病から回復したばかりなのに、もうトレーニングを始めた友人の逞しい回復力に、人間の生命力の強さを感じる
「逞しい」の使い分けと注意点
「逞しい」を使う際には、文脈によって適切な使い分けが必要です。特に、相手を褒める場合と客観的に描写する場合ではニュアンスが異なるため注意が必要です。
- 褒め言葉として使う場合:特に女性に対しては「逞しい生き方」「逞しい精神力」など、精神面に焦点を当てると好意的に受け取られやすい
- 体格について言及する場合:「逞しい体つき」は褒め言葉だが、相手によっては太っていると誤解される可能性がある
- ビジネスシーンでは:「逞しい経営戦略」のように、困難に負けない強さを評価する表現として適切
また、フォーマルな場面では「力強い」「頑健な」などの類語を使う方が無難な場合もあります。
関連用語と表現
「逞しい」と組み合わせて使われることが多い関連用語と、よく使われる表現パターンを紹介します。
| カテゴリ | 関連用語 | 使用例 |
|---|---|---|
| 身体的強さ | 筋骨隆々、がっしり、屈強 | 逞しい筋骨隆々の体つき |
| 精神的強さ | 不屈、忍耐強い、タフ | 逞しい不屈の精神 |
| 生命力 | 旺盛、活力溢れる、バイタリティ | 逞しい生命力に満ちている |
これらの関連語と組み合わせることで、「逞しい」のニュアンスをより明確に表現できます。
歴史的な変遷
「逞しい」という言葉は、時代とともにその意味合いが変化してきました。古語では「こころよい(快い)」という意味で使われていたこともあり、現代の「力強い」という意味とは異なっていました。
- 平安時代:主に「心情が良い」「愉快だ」という意味で使用
- 江戸時代:現在の「力強い」という意味が加わり始める
- 明治時代:西洋の概念を取り入れ、精神的・肉体的な強さを表現する言葉として定着
- 現代:逆境に負けない強さや、生命力の豊かさまでを含む多義的な言葉に発展
逞しき心は、逆境にて磨かるるものなり
— 吉田松陰
よくある質問(FAQ)
「逞しい」と「強い」の違いは何ですか?
「強い」は単に力や抵抗力が優れている状態を指しますが、「逞しい」はそれに加えて、困難に負けない意志の強さや、内面から湧き出る生命力を含むより総合的な強さを表現します。例えば、鍛え上げられた肉体は「強い」ですが、そこに不屈の精神が備わっている場合は「逞しい」と言えます。
「逞しい」は女性に対して使っても失礼になりませんか?
現代では、女性に対しても「逞しい」はポジティブな意味で使われます。特に、精神的に強く自立した女性や、困難に負けない生き方をしている女性を称賛する文脈で用いられることが多いです。ただし、文脈や言い方によっては体格について言及していると誤解される可能性もあるので、前後の会話で意味を明確にすると良いでしょう。
植物や動物に「逞しい」を使うのは正しいですか?
はい、正しい使い方です。コンクリートの隙間から力強く生える雑草や、厳しい環境でも生き抜く動物など、生命力の強さを表現する際に「逞しい」はよく用いられます。この場合、単なる生存ではなく、逆境をはねのけるような力強さを含むニュアンスがあります。
「逞しい」の反対語は何ですか?
明確な一対一の反対語はありませんが、文脈によって「弱々しい」「ひ弱な」「脆い」「意気地ない」などが反対の意味合いで使われます。物理的な強さの面では「ひ弱な」、精神的な強さの面では「意気地ない」が近い反対語と言えるでしょう。
ビジネスシーンで「逞しい」を使う場合、どのような表現が適切ですか?
「逞しい経営手腕」「逞しい事業展開」「逞しいリーダーシップ」などの表現が適切です。特に、困難な市場環境でも力強く成長する企業や、逆境に負けずに挑戦し続ける経営者を評価する際に用いられます。単なる強さではなく、戦略的な思考と実行力を兼ね備えた様子を表現するのに適した言葉です。