「壊滅的」とは?意味や使い方をご紹介

災害のニュースなどで「村は壊滅的(かいめつてき)な被害を受けた」という表現を聞いたことがあるでしょうか。この「壊滅的」とは、何かが壊れてなくなることを意味していますが、近年では比喩的な用法が見られることもあります。今回は「壊滅的」の意味・使い方をまとめます。

目次

  1. 「壊滅的」とは?
  2. 「壊滅的」の使い方
  3. 「壊滅的」の英語表現

「壊滅的」とは?

「壊滅的」(かいめつてき)とは、「壊滅」に、性質や状態を表す「的」がついた言葉です。

「壊滅」(潰滅とも)の意味は「やぶれほろびること、こわれてなくなること」ですから、「壊滅的」は何かが「やぶれてほろびるような性質」や「こわれてなくなってしまうような状態」という意味となります。

「壊」と「滅」の字義

「壊」と「滅」の字義を簡単に言及しますと、以下の通りです。

  • 「壊」(カイ)…「土」と「褱」(くずれる)から成り、土がくずれる、やぶれる、こわれるの意。
  • 「滅」(メツ)…「水(さんずい)」と、「烕」(火が消える)から成り、火がきえる、水がつきる、ほろびる、きえる、死ぬなどの意。

「壊」と「滅」を並べますと、土、水、火などさまざまな属性・元素が登場しますが、いずれのものもくずれる、きえる、つきるなど、こわれてなくなってしまう意味であることがわかりますね。

「壊滅的」の使い方

「壊滅的」という言葉は、主に「壊滅的な被害」「壊滅的な打撃」などの形で、「何かがほとんど原型・現状を残さずに、すっかり壊れるさま」を指して使います。一部分が壊れた、多少の被害があった、といった場合には「壊滅的」は使えません。

もしくは「壊滅的な地震」などのように、破壊をもたらす原因を形容する場合もありますが、いずれにしても被害の甚大さや、何がが滅び去るさまを言い表す使い方は共通です。

だだし、「壊滅的」はあくまでも「的」がつく点にご注意ください。「壊滅(した)」ではなく「壊滅的」ですから、厳密には「壊滅したようだ」「壊滅が必至である」といった、事実としての「壊滅」が成立する一歩手前の状態を「壊滅的」と呼びます。

組織などが「壊滅的」

「壊滅(的)」という言葉は幅広い対象に使用できますが、基本的には何か単一の物質・概念ではなく、複数の要素によって有機的に組織されたものについて用いられます。

具体的には、社会的な組織(機構など)やそのシステム、人間によって組織されたひとつの街・地域やその機能、自然環境、生態系などが該当します。ある組織が全体的に崩壊すると言えるのであれば、物理的なスケールは問いません。

さらに「計画は壊滅的な打撃を受けた」「私の人生は壊滅的だ」などのように、諸要素が組み合わさった概念が崩壊する際にも「壊滅的」という語を当てはめることができます。

【例文】

  • 先日の大地震によって、〇〇市は壊滅的な被害を受けた。
  • その薬物は、ラットの脳細胞に壊滅的打撃を与えることがわかっている。
  • 電子書籍の普及は、紙の本に壊滅的な打撃を与えるかもしれない。

能力などが「壊滅的」

「壊滅的」は、「数学はできるんだけど、英語が壊滅的にできない」などのように、何らかの能力が足りていない様子、あるいは(本来あるべき)何かがまったくない様子を比喩的に言い表すこともできます。

こちらは「あらかじめあったものが壊れた、失われた」というよりも、「最初からまったく(ほとんど)ない」「能力がなさすぎて、ひどい」というニュアンスで使います。

【例文】

  • 運動会なんて嫌いだ。私は運動神経が壊滅的だから…。
  • 彼は仕事はできるけど、コミュニケーションが壊滅的だ。
  • 絵のセンスが壊滅的にないから、恥ずかしい。

「壊滅的」の英語表現

「壊滅的」を英語で言いたい場合には、以下のような単語を用いましょう。

  • disastrous(災害の、悲惨な)
  • catastrophic(大異変の)
  • devastating(破壊的な)

日本語の「壊滅的」というフレーズは災害のニュースで見聞きすることが多いといえますが、英語でも同じイメージで捉えるとよいでしょう。

例文

  • The typhoon had a disastrous effect on the city.(その台風は都市に壊滅的な影響を与えました)


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