「終わり」の意味
「終わり」は誰もが知っている言葉ですが、その意味を辞書で改めて調べてみると、「連続している物事の、もうこれから先がないという状態」を指すことがわかります。
まず、何かものごとの始まりがあり、その物事が続いている状態があります。そして、それがそれ以上続かなくなった状態を「終わり」というのです。
名詞「終わり」の使い方
「終わり」は基本的には名詞として、「世界の終わり」や「一日の終わり」のように、「○○の終わり」というかたちで用いられます。
一方、間に助詞の「の」を挟まずに「仕事終わり」や「学校終わり」といった「○○終わり」という使い方もありますね。この場合、「その日の○○が終わった後」という意味であることが多いため、「世界終わり」というような使い方はしません。
名詞「終わり」の例文
- 仕事終わりにちょっと飲みに行かない?
- 一日の終わりに日記を書いています。
- 番組の終わりに重大発表があります。
- どれほど練習してもこれで十分ということはない。練習に終わりはないのだ
動詞「終わり」の使い方
「終わり」は動詞「終わる」の活用形としても使います。ひとつは、「今日の仕事、終わり!」というように、「終わった」と同様の使い方です。
また、動詞「終わる」の中止形としても使います。中止形というのは聞きなれない言葉ですが、「終わって」と意味は同じです。例えば、「戦争が終わって、平和が訪れた」と、「戦争が終わり、平和が訪れた」は動詞の活用形が違うだけで、意味は変わりありません。
動詞「終わり」の例文
- 今日の作業、終わり!
- 1868年、江戸時代が終わり、明治政府が発足した。
「終わり」の類語
- 結末(けつまつ):最後の締めくくり。「物語の結末」=「物語の終わり」
- 終焉(しゅうえん):命の終わり。末期。晩年を過ごすこと。「近代の終焉」=「近代の終わり」
- 最後(さいご):一番あと。何かをしたらそれっきりであること。「選手生活の最後」=「選手生活の終わり」
- 最期(さいご):死に際。末期。「父の最期を見とる」=「父の人生の終わりを見とる」
- 終了(しゅうりょう):ものごとが終わること。終わりにすること。「営業終了」=「営業、終わり!」
- 完了(かんりょう):完全に終わること。すでに終わっていること。「任務完了」=「任務、終わり!」
「さいご」という言葉の漢字には注意が必要です。「最後」はあらゆる状況で使えますが、「最期」は「人生の終わり」という意味なので、使える状況は限られます。使い分けに注意しましょう。
また、「終了」や「完了」は、「終わった」という意味の「〇〇、終わり!」と同じ意味の言葉として使うことができます。逆に「○○の終わり」というときの「終わり」の代わりには使えません。
「終わり」の語源・字源
「終わり」の語源
一説には、「終わり」の語源は「尾ふ」だと言われています。「尾ふ」の「尾」は「しっぽ」という意味で、そこから転じて「終わり」を表すようになったということです。
「終」の字源
「終」という漢字は成り立ちについては諸説ありますが、いくつかの説では糸がその成り立ちに深く関わっています。
一つは、「終」の「冬」の部分が、巻き取った糸玉を表しているというものです。巻き取った糸玉はこれ以上巻き取ることができないので、そこから転じて「終わり」という意味になりました。
また、「冬」の部分が結び玉を表しているという説もあります。結び玉とは、糸で布を縫う際に、糸がほどけないように作る結び目のこと。糸の両端に結び目を作ることから、「終わり」を意味するようになったと言われています。
「終わり」を英語で言うと?
「終わり」を英語にするときに最もよく使われるのは"end"です。"end"は動詞として使われるだけでなく、名詞としても使われます。進行形の"ending"の場合は、物語や映画の結末部分を指します。日本でもこの部分を「エンディング」と呼びますよね。
"close"も名詞としての意味に「終わり、終結」という意味があるため、「終わり」という意味で使われる単語です。また、「最後に」という意味で、"the last"が使われます。
「終わった」「終了」「完了」という意味での「終わり」は、"finished"を使います。"finish"にも「終わる」という意味がありますが、名詞として使う場合は、「レースのゴール地点、試合の決勝点」という意味で使われるのが一般的です。
「終わり」まとめ
「終わり」は様々な類語で言い換えることができますが、それぞれ微妙にニュアンスが違うので、注意しましょう。というわけで、これで「終わり」の話、終わり!