「淑女」の意味
「紳士淑女のみなさん(レディースアンドジェントルメン)」や「淑女の嗜み(たしなみ)」といった表現に代表されるように、「淑女」という言葉は日常生活において度々耳にする言葉ですが、正確な意味を把握している方は意外と少ないのではないでしょうか。
「淑女(しゅくじょ)」とは、「おしとやかで上品な女性」「品格の高い女性」のことを指す言葉です。女性なら誰もが憧れる「理想の女性像」のひとつとして語られることが多いです。
「淑女」の使い方
「淑女」は女性に対して使う言葉ですので、基本的に男性に対しては使いません。また、少々「お堅い」イメージのある言葉ですので、フランクな日常会話などでは、わかりやすく「おしとやかな女性」や「上品な女性」と言ったほうが伝わりやすいでしょう。
一方で、改まった場や公式な文章などにはマッチする表現とも言えます。ケースによって使い分けるのが良いでしょう。
使用例
- 先輩のような、みんなに愛される淑女になりたい。
- 彼女の振る舞いは常に上品で、まさに淑女といえるだろう。
- 淑女の周りには、やはり紳士が集まる。
「淑女」の語源
「淑女」で使われている「淑」という漢字には以下のような意味があります。
- しとやか
- 上品
- 慕う
性質や動作が物静かで上品な様子のことを「淑やか(しとやか)」と表すことがあります。この意味から、「淑女」には女性らしい細やかな気づかいや振る舞いといったニュアンスが込められています。
「淑女」の類語
貴女
「貴女」には大きく分けて2つの意味と使い方があります。ひとつは「身分の高い女性」という意味で用いられるケースです。この場合は、「貴女(きじょ)」と読みます。
もうひとつは、「敬意を示したい女性を呼ぶ語」としての使い方です。二人称の「君」や「あなた」を、より丁寧にしたイメージの言葉です。手紙や小説などといった書き言葉で使われることが多く、「貴女(きじょ)」もしくは「貴女(あなた)」と読むことができます。
貴婦人
「貴婦人(きふじん)」とは、「身分の高い女性」「上流階級の婦人」のことを指す言葉です。中世ヨーロッパにおける、王家の女性を想像する方もいらっしゃるかもしれませんね。
大和撫子
「大和撫子(やまとなでしこ)」とは日本女性の清らかな美しさを称える言葉です。「大和(やまと)」は「日本特有の事物・制作」や「日本」そのものを表します。
また、撫子(なでしこ)とはナデシコ科に属する花のことです。「思わず撫でたくなるほど可憐な花」なので「なでしこ」と名付けられました。
これら2つの言葉の意味が込められた「大和撫子」という表現は、褒め言葉としてしばしば用いられています。
「淑女」の対義語①
「淑女」の対義語には2つのパターンがあります。ひとつは「品格のある男性」で、男性版「淑女」のようなイメージの言葉です。
紳士
「紳士(しんし)」とは、「上品で礼儀正しい男性」「上流階級の男性」「教養の高い立派な男性」を指す言葉です。また服飾・ファッションの分野における「紳士服」のように、単に「成人した男性」を指すこともあります。
貴紳
「貴紳(きしん)」とは、「身分や名声のある男性」を表す「貴顕紳士(きけんしんし)」を略した表現です。「貴顕(きけん)」とは「身分の高いさま」を意味します。
ナイスガイ
「ナイスガイ」とは「男前・ハンサムな男性」を指す言葉で、英語の「nice guy」に由来しています。日本における「ナイスガイ」には「見た目が格好良い」という意味を含みますが、英語においては「内面が素敵な男性」を意味しており、外見への評価は含まれていません。
「淑女」の対義語②
「淑女」の対義語のもうひとつのパターンは、「品格のない女性」を意味する言葉です。
莫連
「莫連(ばくれん)」とは、「あつかましい人」「人柄が悪い人」「世間ずれしている人」を指す言葉で、女性に対して用いることが多いです。
阿婆擦れ
「阿婆擦れ(あばずれ)」とは、「品行が悪い女性」「不貞な女性」「厚かましい女性」を表します。差別的・軽蔑的な意味合いが込められている言葉なので、使用を避けるのが望ましいでしょう。
毒婦
「毒婦(どくふ)」は、「性質や素行の悪い女性」「性根の悪い女性」「無慈悲な女性」という意味です。似たような言葉に「悪女(あくじょ)」がありますが、より「無慈悲さや邪悪さが激しい」印象であれば、「毒婦」という表現が適しているでしょう。