「ばってん」は方言
「ばってん」は九州地方で使われる方言です。若い人の間では使われなくなってきていますが、中高年以上の世代ではまだまだ使われることが多いので、九州では比較的メジャーな方言といえます。
「ばってん」の意味
「ばってん」は二つの意味があります。
- 「だが」や「しかし」という逆接の接続詞として使用し、文頭に使われます。
- 「けど」や「けれども」という接続助詞として使用し、文中に使われます。「けど」や「けれども」には順接と逆接の用法がありますが、どちらも「ばってん」に置き換えられます
「ばってん」の使い方
接続詞として
- あの店のご飯はおいしかったばい。ばってん、店が狭かったとよ。(あの店のご飯はおいしかったよ。だけど、店が狭かったんだよ。)
- あの子かわいかろ~。ばってん、性格が悪いったいね。(あの子かわいいでしょ~。けれども、性格が悪いんだよね。)
接続助詞として
- あいつは若かばってん、仕事はようできる。(あいつは若いけれども、仕事はよくできる。)
- あそこは歩いたら遠かばってん、車やったらすぐたい。(あそこは歩いたら遠いけれども、車だったらすぐだよ。)
「ばってん」の由来
驚くことに、「ばってん」は英語の「But then」(そうは言っても)が由来であるとする説があります。ですが、これは一般的ではなく、古い言葉である「~ばとて」(であるので)が訛ってできた言葉であるとする説が有力だとされています。
「ばってん」にはバリエーションがある
「ばってん」には多くのバリエーションがあり、意味は同じですが地域によって微妙に異なります。
例えば、「ばって」は鹿児島で使われることが多く、「ばってんくさ」は福岡でも博多地方(福岡市博多区周辺)で使われることがあります。
また、「ばってんが」や「ばってが」と「~が」がつくことがあります。「~が」とつくものは「~だが」のように逆接の意味だと捉えがちですが、こちらも意味自体に変化はなく順接の場合も使用され、いずれも「だけど」や「けれども」を表します。
九州以外で「ばってん」を使う地域も
「ばってん」の同義語である「ばって」は九州以外でも青森県津軽地方の方言として使われます。こちらも「だけど」や「けれども」を表し意味は同じです。