「マージン」とは?
「マージン」(margin)の意味は、大まかに以下の二つです。
- 余白、欄外、ふち(印刷用語)
- 手数料、利ざや(ビジネス用語)
ここでは、「マージン」の意味・使い方を「印刷用語」「ビジネス用語」それぞれに分けて解説します。
「マージン」:印刷用語
印刷業界をはじめ、デザインやレイアウトの分野における「マージン」は「余白」という意味で広く使用されています。
例えば、新聞や本、広告、チラシ、カレンダー、その他ネット上におけるあらゆるコンテンツ(今ご覧になっているこのサイト含む)も、端から端までぴっちりと内容が詰まっていると、かえって見にくいものなのです。
そこで、コンテンツの外側にさながら「額縁」のように設けられるのが「マージン」です。余白や欄外と聞くと「そこには何もない」というイメージもあるかもしれませんが、内容物を視覚的に際立たせるため、とても大切な要素です。
IT用語としても使用される「マージン」
「マージン」は、近年ではIT用語としても知られるようになってきています。理由は、業種を問わず、文書やコンテンツの作成がコンピューター主体で行われることが増えているからです。
マージンを1ミリ単位で指定するようなケースはデザイナーなどの専門職に限られますが、ちょっとした書類であっても、余白の狭さ・広さひとつで見え方ががらりと変わることがあります。
パソコンを使う場合、マージンは文書の完成後でも変更・調整できる場合がほとんどです。レイアウトにこだわりがある方は、今後マージンの取り方について少し意識してみてはいかがでしょうか。
例文
- マージンをしっかり取らないと、見にくい書類になる。
- 書類に画像を載せる場合は、最低10ピクセルのマージンを取るようにと上司から言われた。
- マージンの数値をいじったら、2ページにまたがっていた文書がうまいこと1ページにまとまった。
「マージン」:ビジネス用語
「マージン」は、ビジネス用語においては「利ざや」「差額」「手数料」などの意味として広く使用されています。
業種によっては口にしない日がないほど日常語の一部となっている場合もありますので、ビジネスマンの皆さんはしっかり意味を押さえておきましょう。
なぜ「余白」が「利ざや」の意味に?
「マージン」のもともとの意味は「余白」です。これがなぜ、「利ざや」などの意味を持つのでしょうか。
この場合の「マージン」は、本来の商品価値から「はみ出した部分」と捉えましょう。例えば、1万円で仕入れた商品を1万円で販売しても、利益はゼロですよね。利益を得るためには、必ず「差額」が必要なのです。
そして差額を生むためには、仕入れ時の商品価値に付加される何らかの価値が必要です。仲介料、手数料などと呼ばれることもしばしばですが、これらが「商品価値からはみ出した部分=差額=利益」としてマージンと呼ばれるのです。
例文
- 仲介業者を通して仕入れを行うと高額なマージンを請求されてしまうため、営業部長が生産者のもとへ直接仕入れ交渉に向かった。
- A社と取引をしたら、マージンは25%と言われた。大量に買い付けを行うので、少しでも下げてくれないかと交渉中だ。
- 仕入れにかかるマージンは安くないが、売り上げの予測を考えれば悪い買い物ではない。
英語の「margin」
最後に、英語の「margin」についてもご紹介しておきます。ざっくり意味をまとめると、以下の通りです。
- 余白、欄外、ふち
- 販売利益、差額
- (能力・性能などの)限界・限度
- 余裕、ゆとり
1や2に見られるように、主な意味・用法はカタカナ語の「マージン」と共通です。一方で、「社会などにおける(中心部ではなく)周辺部」や、「(安全対策の)ゆとり」などのような、日本語ではあまり見られない用法もありますのでご注意ください。
例文
- She always scribbles in the margin.(彼女はいつも余白に落書きする)
- ethnic minorities living on the margin of the continent(大陸の端に住む少数民族)
- Our profit margin has became smaller.(我々の販売利益は減少した)
- a safety margin(安全性の限界)
- allow a wide margin for error(誤りに備え、ゆとりを広めにとっておく)