「dsbd」とは
「dsbd」は、ダッシュボード(dashboard)の略です。ダッシュボードは、車の運転席とエンジンルームを仕切る板のこと。この部分には、スピードメータやガソリンメータなどの計器類やラジオなどのアクセサリ、助手席側には小物入れも付いていますね。
ビジネスやITの分野で用いられる「dsbd」は、ここから派生したもの。車のダッシュボードについている計器類のように、可視化したデータ、またはデータを可視化するツールを指す言葉です。
語句としては、「dsbdを活用する」「新しいdsbdソフトを導入した」「このdsbdは使いやすい」のように用いられます。
ビジネス・IT分野の「dsbd」
業務システムにおける「dsbd」
ビジネスにおける意思決定には、業務状況や顧客状況などのデータを集めて分析する必要があります。しかしいろいろな情報を、さまざまな切り口で表・グラフ化する作業は大変なもの。その作業を肩代わりする機能・画面やソフトウェアが「dsbd」です。
「dsbd」は、デジタルダッシュボード、あるいはマネジメントダッシュボード・企業ダッシュボード・経営ダッシュボードなどとも呼ばれます。別名の方が、意味を推測しやすいかもしれませんね。
ERPと「dsbd」
日本でビジネスにおけるダッシュボードという言葉が広まったのは、ERP(Enterprise Resources Planning:企業資源計画)が導入され始めた2000年前後だったようです。
ERPとは、平たく言えば、資源(人・物・金・情報)を有効に使って経営の効率化を図ること。ERP導入により、企業では会計・販売・生産などのデータを一元管理し、情報を可視化するようになりました。
ERPを実現するソフトウェアには、ダッシュボードの機能を実装しているものもあります。こうして、ダッシュボードは必要な情報をわかりやすく表示し、素早い経営判断を助けるものとして定着していったのです。
身近な「dsbd」
意外かもしれませんが、企業経営者でなくとも「dsbd」を目にする機会はあります。身近なところで、2017年から総務省統計局が提供している「統計ダッシュボード」を例に挙げましょう。
国や民間企業等が提供している主要な統計データをグラフ等に加工して一覧表示し、視覚的に分かりやすく、簡単に利用できる形で提供するシステムです。
よく利用される統計データは、あらかじめグラフ表示していますので、データの経年変化(時系列)や地域による差の比較がすぐにできます。グラフ上で項目の説明やデータソースとなっている統計調査名を見ることもできます。
ー総務省「統計ダッシュボード」サイトの説明文よりー
これは、政府や企業が提供している主要な統計データを利用できるようにしたもの。トップページには、人口の推移や失業率と求人倍率などの各分野ごとのグラフなどがあります。これならば、統計に詳しくない人でもすぐにデータを活用することができますね。
Mac OSにおける「ダッシュボード」
「ダッシュボード」は、Macユーザにとってはお馴染みかもしれません。Mac OS Xでは、「ダッシュボード」を起動すると、時計・計算機・温度表示などの単機能のアプリケーションソフト(ウィジェット)の一覧が表示されます。
表示されるウィジェットはユーザが追加・削除できるようになっており、ユーザ自身が使いやすい状態にすることができます。Mac OSの「ダッシュボード」は、車のダッシュボードのように、よく使うものを手近なところにまとめたものということでしょう。
「ダッシュボード」の語源
最初に、「ダッシュボード」は車のエンジンルームと運転席とを仕切る板と説明しました。しかしダッシュボードの始まりは、さらに馬車の時代へと遡ります。
英語の「dash」には、「(水などを)はねかける・はねかけること」という意味があります。ダッシュボードとは、そもそも馬車の御者台の前に取り付けられた、泥除け用の板のことでした。
自動車の時代になると、かつての馬をエンジンに置き換えて、エンジンと運転手の間にある板をダッシュボードと呼ぶようになり、やがてそこに様々な計器類が取り付けられるようになったのです。