「ミーハー」とは?意味や使い方をご紹介

「ミーハー」とは、流行りのものにすぐに飛びつく人のことですね。外来語だと思っている方もいるかもしれませんが実は日本語です。この言葉が生まれた背景からは当時の世相をうかがい知ることができます。今回は、「ミーハー」の意味や使い方について、語源も含めて紹介します。

目次

  1. 「ミーハー」の意味
  2. 「ミーハー」の例文
  3. 「ミーハー」の由来
  4. 「にわかファン」とは

「ミーハー」の意味

「ミーハー」とは、世の中の流行にかぶれやすいこと、またはそのような人を指す言葉です。しかし、時代により、少し異なるニュアンスで用いられています。この言葉が生まれた当時と、現代とを比較しながら見ていきましょう。

昭和10年〜20年代の「ミーハー」

「ミーハー」あるいは「ミーハー族」という言葉が生み出されたのは昭和10年~20年代にかけて。当時は、国際的なスポーツ大会や注目を集める芸能人などに対して、流行に乗り遅れまいと突然熱中し始めること、またはそのような人を指していました

「ミーハー」は、高尚な人には理解できない世俗的な趣味や、低俗な流行に率先して夢中になる無教養な人を軽蔑する意味で使われていた言葉です。

昭和10年〜20年代といえば、戦中から戦後まもなくの時期、世間には男尊女卑の雰囲気が強く残っていた頃。「ミーハー」は、おもに、男性が、流行に敏感な若い女性を馬鹿にする時に使いました

とくに、テレビが一般家庭に普及し始めた昭和20年代後半には、多くの人の間で広く使われるようになったのです。

現在の「ミーハー」

今、「ミーハー」は男女に関係なく使われています。その代わりに、話題になる以前から対象となる物事や人のことをずっと応援しているファンや、その道に詳しい人達が、流行に踊らされた新参者のことを「ミーハー」と称する場合があります。

現代の「ミーハー」は、それまで見向きもしなかった物事が流行しはじめた途端、それらに以前から興味があったように振る舞うこと、またはそのような人というニュアンスを含むことがあります。

「ミーハーな人」とは

誰が誰に対して使うかはさて置き、昔も今も、「ミーハー」や「ミーハーな人」とは、メディアに取り上げられる間は熱狂するものの、沈静化してくると途端に興味がなくなる飽きっぽい性格の人と言えるでしょう。

しかし、とくに娯楽が多い現代においては、興味が次から次へと移っていくのも仕方のないことなのかもしれません。

「ミーハー」の例文

「ミーハー」は「ミーハーな人」のように名詞を修飾することもありますが、それ自体で人を表すこともあります。

  • 国際大会を見るたびに、ラグビーに夢中になったりサッカーを語り出したり、おまえは本当にミーハーな奴だな。
  • おからとかこんにゃくとか、情報番組で最強のダイエット食材って言った途端、ミーハーな人が買い占めするから、手に入らなくて困っちゃう。
  • ミーハーは応援のマナーが身についていなくて迷惑だ。
  • 姉はミーハー向けの商品に釣られやすく、すぐに買ってくる。

「ミーハー」の由来

「ミーハー」の語源は諸説あります。上で説明したように、そもそもが若い女性を馬鹿にする言葉でした。そのため、語源として挙げられる事柄は、おもに、当時の若い女性たちを象徴するようなものとなっています。その中の幾つかをご紹介しましょう。

「みいちゃんはあちゃん」

「ミーハー」の語源として最も有力なのは、「みいちゃんはあちゃん」の略だという説です。「ミーハー」の異表記として「みいはあ」があることからも信憑性が高いと考えられます。

みいちゃんはあちゃん」は「ミーハー」という言葉が広く浸透する前からあった言葉ですが、ミーハーの意味と変わりありません。

「みいちゃん」「はあちゃん」は、昭和初期の女性の愛称です。当時の若い女性たちの名前には「みよ」や「はな」など、頭に「み」や「は」の付くものが多く、彼女たちを「みいちゃん」「はあちゃん」と呼んでいました。

「みいちゃんはあちゃん」は、当時のポピュラーな愛称で、若い女性をひとくくりにした呼び方なのでしょう。

「ドレミファソラシド」音階の「ミ」と「ファ」

信憑性は低いのですが、「ミーハー」は音階の「ミ」と「ファ」に由来するという説もあります。

音階の「ミ」と「ファ」は、ドレミファソラシの7つの音の中でも下から3番目と4番目の位置にあります。低い位置にあることから、低俗な趣味に夢中になるという意味と掛けていると言われています。

ちなみに、高尚な趣味を持っている人はそれよりも1音~2音高い音階をもじって、「ソーラー」もしくは「ソーラー族」と呼ばれました。

英語の「me」と「her」から

同じく、信憑性が低い説に、「ミーハー」は、英語の「me」と「her」に由来するというものがあります。その背景は、終戦を迎えた昭和20年以降、日本でも英語の授業が行われるようになったことです。

当時の若い女性の間では、会話の端々に英語が使われるようになり、「me(私の)」や「her(彼女の)」を織り交ぜる話し方が流行しました。そのため、「ミーハー」という言葉が生まれたとも言われています。

若い女性に好まれたおやつと人物の頭文字

もうひとつ、信憑性が低い「ミーハー」の語源に、昭和10年代当時、若い女性の間で流行っていたものの頭文字の組み合わせがあります。

若い女性の間で爆発的に流行したおやつとは「みつ豆」。また、多くの女性を熱狂させた美男子といえば、俳優の「林長二郎(のちの長谷川一夫)」です。これらの頭文字「み」と「は」を取って、「ミーハー」という言葉ができたということです。

「にわかファン」とは

「ミーハー」に近い言葉として「にわかファン」が挙げられます。単に「にわか」とも言いますね。「にわかファン」とは、にわかに、つまり突然に、芸能人やスポーツ選手の熱狂的なファンになった人のこと。

流行に煽られてファンになったものの、すぐに熱が冷めて興味がなくなる人のことを指す場合もあります。

【例文】

  • にわかファンでも、そのまま定着して応援し続けてくれればありがたい。
  • にわかは困る。チームが弱くなるとすぐに他チームに乗り換えるんだから。


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