「一身上の都合」とは?意味や使い方をご紹介

「一身上の都合により…」退職届につきもののフレーズです。退職届に書くときには、とくに何も考えないでそのまま使うことが多い言葉ですが、いったいどういう意味なのでしょうか。この記事では、「一身上の都合」について、意味や使い方を解説します。

目次

  1. 「一身上の都合」とは?
  2. 「一身上の都合」と三行半
  3. 「一身上の都合」の使い方
  4. 退職で「一身上の都合」を使うとき
  5. 「一身上の都合」書き方
  6. 補足:「自己都合」と「会社都合」の違い

「一身上の都合」とは?

読み方ですが、「いっしんじょうのつごう」と読みます。一身上とは、その人自身の身の上に関すること、個人的な境遇や事情のことを指します。身の上のことを身上(しんじょう、しんしょう)とも言いますが、身上書、身上調査などの言葉で使われているのを目にする機会もあることでしょう。また、身上は、財産や資産、家柄や地位を指すこともあります。

「一身上の都合」と三行半

時代劇を見ていると、「三行半(みくだりはん)を叩きつける」などというセリフを耳にすることがあります。「三行半」とは、江戸時代の離婚届に当たります。基本的には夫から妻へ渡されるもので、三行半の文章で書かれていたので「三行半」と言います。

三行半には、離婚理由、離婚するという宣言、再婚許可などの内容が書かれています。この離婚理由は、「我等勝手ニ付(我ら勝手につき)」や、「不相応ニ而(不相応にて)」といった、抽象的で当たり障りのない書き方がされることが多かったとされています。これが現代の「一身上の都合」に相当します。具体的な理由を書かないことで、夫婦や両家に不要な傷をつけないように、また後の再婚の妨げにもならないように配慮がされていた、ということになります。

「一身上の都合」の使い方

この言葉をもっともよく目にする機会があるのは、職場における退職届け・退職願いなどでしょう。しかし、具体的な理由を述べずに済む便利さのため、最近ではSNSで「一身上の都合」が使われることもあるようで「一身上の都合により、コンパは欠席です」のように使われます。

退職で「一身上の都合」を使うとき

退職理由には、大きく分けて、「自己都合」によるものと「会社都合」によるものの二種類があります。

自己都合による退職

「自己都合」による退職とは、家庭の事情や転職、自分や家族の病気、結婚、転居によって会社に通えなくなるなど、個人の事情による退職を指します。「自己都合」による退職をするときは、退職届に詳しい理由を書く必要はなく、「一身上の都合により退職」のかたちにすることが一般的です。

会社都合による退職

会社の倒産、リストラなど、会社側の事情による退職が「会社都合」による退職です。会社が移転したことによって通勤が困難になり退職した場合や、パワーハラスメント、セクシャルハラスメントによって退職しなければならなくなった場合も、「会社都合」による退職となることがあります。「会社都合」による退職の場合は、後のトラブルを避けるため、「一身上の都合により退職」としないで、「会社都合による退職」とします。

「一身上の都合」書き方

退職願いの場合は、「このたび、一身上の都合により、来たる平成**年*月*日をもって退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。」

退職届で使う場合は、「このたび、一身上の都合により、来たる平成**年*月*日をもって、退職いたします。」

履歴書の職歴には、「一身上の都合により退職」と書きます。

補足:「自己都合」と「会社都合」の違い

「自己都合」による退職と、「会社都合」による退職の違いは、受け取れる失業保険の金額や期間に関わってきます。具体的には、次の通りです。(2018年9月時点)

最短支給開始日
「自己都合」による退職は3か月7日後、「会社都合」による退職は7日後。

給付日数
「自己都合」による退職は90~150日、「会社都合」による退職は90~330日。

最大支給額
「自己都合」による退職は約118万円、「会社都合」による退職は約260万円。

国民健康保険
「自己都合」による退職は通常納付、「会社都合」による退職は最大2年間軽減。

また、「自己都合」による退職の場合は、失業保険を受け取るためには1年以上被保険者として保険料を納めていなければなりませんが、「会社都合」による退職は半年以上の加入で失業保険を受け取ることができます。


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