「日々」とは
「日々」は、「日日」とも表記されます。「にちにち」「ひび」という読み方があり、品詞やニュアンスがやや異なります。
「日々(にちにち)」の意味・使い方
「日々(にちにち)」は、「一日一日・毎日・日毎」という意味。「その日その日の様子」というニュアンスです。名詞ですが、副詞として用いられることもあります。
<名詞としての使用例>
- 日々の出来事を書き留めておこう。
<副詞としての使用例>
- 科学は日々進歩している。
- 彼女の成功は、日々努力した結果だ。
一般的に、「にちにち」という読み方はあまり用いられていないようです。実際のところ、上記の名詞としての例文も、副詞としての例文も、振り仮名が無ければ「ひび」と読まれることが多いでしょう。
「日々(ひび)」の意味・使い方
「日々(ひび)」は、「一日一日・毎日・日毎(ひごと)」という意味の名詞です。「日を重ねる」というニュアンスがあります。使い方は名詞として用いる「にちにち」と同じです。
<使用例>
- 怠惰に過ごした日々を卒業する。
- 彼は日々のトレーニングを欠かさない。
辞書によれば「ひび」は名詞です。しかし、副詞として用いる「にちにち」も「ひび」と読まれることが多いので、「ひび」が副詞として用いられているように見えます。
「日々」と「毎日」
「日々(にちにち・ひび)」の意味の説明で挙げた「毎日」は、「日々」の類語と言えます。
「毎日」とは
「毎日(まいにち・まいじつ)」は「来る日も来る日も・日毎」という意味の名詞ですが、副詞的にも用いられます。
<使用例>
- お陰様で忙しい毎日を過ごしております。
- 学校が家から遠いので、毎日通うのも大変だ。
「日々」と「毎日」の違い
一般的に、「日々(にちにち・ひび)」と「毎日」の違いは、「毎日」は口語的な表現、「日々」は文語的な表現であることされています。
しかし、使い分けも確かな規則はなく、その都度、慣習的に使い分けているようです。
にちにち | ひび | 毎日 | |
---|---|---|---|
幸せな…を過ごす。 | △ | ○ | ○ |
…の仕事に追われる。 | ○ | ○ | ○ |
…のように残業する。 | × | × | ○ |
ほぼ…雨降りだ。 | × | × | ○ |
「日々」の類語
「其の日其の日」
「其の日其の日(そのひそのひ)」とは、「次々とやってくる日・毎日」という意味です。
<使用例>
- 其の日其の日の生活に追われて貯金する余力がない。
「日常」
「日常(にちじょう)」は「常日頃(つねひごろ)・普段・平生」という意味があります。
<使用例>
- 英語はあまり得意とは言えないが、日常会話には不自由しない。
- 日常の食生活こそ大切にするべきだ。
「日毎」
「日毎(ひごと)」は「一日一日・毎日」という意味。「日ごと」とも表記されます。「日毎の」は「毎日」、「日毎に」は「日増しに・次第に」というニュアンスです。
<使用例>
- 彼女は日毎の勤めを欠かさない。
- 日毎に日が長くなってきた。
「連日」
「連日(れんじつ)」は、「来る日も来る日も」という意味。ある一定期間中、何日も同じ状態が続いて起こる様子を強調しています。
<使用例>
- 連日の猛暑により熱中症で搬送される人が続出した。
- 彼は連日のように残業している。
「日々」と「日日」
「々」は踊り字
「日々」の「々」は踊り字の一種。同じ漢字が続く場合、二番目の文字の代わりに用いられ、読み方は二番目の文字と同じです。
「日々」と「日日」
「日々」を踊り字を使わずに表記すると「日日」。「日日」と書いた場合は、「ひび・にちにち」のほかに「ひにひに」「ひにち」とも読みます。
【日日(ひにち)】
「日にち」と表記することも。「日取り・期日」または「日数」という意味の名詞です。
【日日(ひにひに)】
副詞で、「日を追って・だんだん・日増しに」または「その日ごとに・毎日毎日」という意味です。「日に日に」と表記することもあります。
「日日是好日」とは
「日日是好日」は禅語のひとつ。日本語の禅語としては「にちにちこれこうにち」と読むようですが、「にちにちこれこうじつ・ひびこれこうじつ」または「ひびこれよきひ」と読まれます。
意味は、来る日も来る日も、楽しく平和なよい日が続くということ。出典には諸説ありますが、一般に、『碧巌録』第六則に収められている公案として知られています。
「日々草」とは
「日々草(日日草・ニチニチソウ)」というキョウチクトウ科目の植物があります。名前の由来は、毎日毎日、新しい花が咲き続けることだそうです。
日々草が日本に渡来したのは江戸時代で、当初はニチニチカと読んでいました。開花期は夏。直径3センチほどの五裂の花弁を持つ、白、ピンク、赤、赤紫色の花を咲かせます。
日々草の花言葉は「楽しい思い出」「友情」。毎日新しい花を咲かせることが、楽しい出来事が次々に起こった日々を連想させるからかもしれません。