「くった」とは?
「くった」は色々な意味を持つ言葉です。今回はそのなかでも、比較的知名度のある四つの言葉について見ていきます。
- ラーメン
- 食うの過去形
- フリーペーパー
- 沖縄言葉
くった(QTTA):ラーメン
「くった(QTTA)」は東洋水産マルちゃんから発売されているカップ麺の名称です。『日々、頑張っている皆さんに、食べた後に「くったぁ〜」と一息ついてもらいたい』という開発者の想いから名付けられたようです。
「すべての”若手”を応援したい。」として、若者をターゲットにシリーズ展開しており、「サワークリームオニオン味」や「ガーリック&ペッパー味」、「ハンバーガー味」など攻め姿勢のメニューが目立ちます。
【例文】
- QTTAの新発売のバーベキュー味が売ってたから買ってみた。うまかったよ。
- 若い人をターゲットにしているからか、QTTAは他のカップ麺に比べて攻めたラインナップだよね。
くった(食った):食べた
「くった(食った)」は「食う(喰う)」に過去や完了などを意味を加える助動詞の「た」がついた言葉です。たとえば「今朝、納豆食った」なら、「今朝に、納豆を食べた」という意味です。
「食う」は「食べる」という意味を持つ言葉の中では、荒っぽいニュアンスを感じさせるものなので、公式の場で使われることはあまりありません。同じ理由で、女性が使うことは珍しいです。
【例文】
- 「もう、めし食った?食ったら、サッカーしようぜ」
- 「部活の帰りにみんなで食ったラーメン、あの味は忘れられないね」
くった(kutta):フリーペーパー
「くった(kutta)」は、北海道のほぼ中央に位置する旭川とその近郊の食を紹介しているフリーペーパーです。
フリーペーパーとは無料で配布される雑誌のこと。旭川の観光情報センターや、道の駅などに置かれていて、観光客にも大変人気があります。
「美食&情報」が主な内容で、「新鮮な食材や自然派の調味料を使用していて、美味しいお店を紹介すること」をコンセプトとしています。
店内で手作りしている、自然派の調味料を使っている、地域の美味しい食材を使っているなど、こだわりの飲食店などを紹介しています。
【例文】
- 「旭川のおいしいお店がたくさん載っている『Kutta』もらってきたよ。
- Kuttaで紹介されているお店に、今度行ってみようと思っている。
くったー:沖縄の言葉
「くったー」には沖縄の言葉で「こいつら」という意味があります。沖縄では、「この」を「くぬ」といい、「この人」を「くり」、「こいつ」を「くぬひゃー」と言ったりします。これが複数形になると「くったー」です。
若者の間で使われることが多く、あまり上品な言葉ではありません。ちなみに、その他の単語も複数形では類似した音変化となります。
標準語 | 単数形 | 複数形 |
私 | わー/わて | わったー |
あなた | やー | やったー |
あいつ | あり | あったー |
そいつ | うり | うったー |
(A)
壊したの、やーか。
(B)
わーじゃねーよ。くったーだよ。
くったを含む言葉
くったく(屈託)
「くったく(屈託)」には、「気にかかることがあって、心が晴れないこと」「ひとつのことにこだわって、くよくよすること」という意味があり、「屈託のない」は、「心配や気にかかることがない」という意味で使われます。
また、第二義として「 疲れてあきあきすること」を意味し、「屈託した表情」とは、退屈してぼぉっとしている様子を表すこともあります。
しくった
「しくった」とは「しくじる」の過去形です。元々は大阪の方言で「しくじった」、つまり「失敗した」という意味を持ちます。
例えば、デートの日に寝坊して彼女と音信不通になってしまったなど、何かをしようとしていて失敗してしまった時に「しくった!」などと使います。あまり綺麗な言葉ではないので、使用場面は選びましょう。
くったり
「くったり」は「完全に力が抜ける様子」を表しています。ぐったりやくたくたなどの病的なニュアンスよりは、一息ついていて休んでいるような脱力的な意味合いです。
サンエックスの人気キャラクターのリラックマには、くったり感を売りにしている「くったりぬいぐるみ」というシリーズがあります。