「なつい」の意味:懐かしい
「なつい」は「懐かしい」を略した言葉です。おもに若者を中心に使われている表現で、意味やニュアンスなども「懐かしい」と同じです。SNSなどでは「なっつ」という表現も見られます。
「なつい」の意味:夏の暑さ
「なつい」を「夏の暑さ」という意味で使うこともあります。これは「夏は暑い」をギャグっぽく「アツはナツい」と言ったものを、さらに略して「なつい」としたものです。
とはいえ、基本的に「なつい」は「懐かしい」という意味で使われることがほとんどです。文脈からも容易に判断できますので、意味を誤解する心配はしなくても大丈夫でしょう。
ちなみに「アツはナツい」は、昭和初期に活躍した漫才コンビ「エンタツ・アチャコ」のギャグが元ネタと言われています。実はかなり歴史のあるギャグなのですね。
「なつい」の使い方
「なつい」は、自分が懐かしいと感じた物事に対して使います。若者言葉なので年配の方には通じにくいかもしれません。注意しましょう。
また「なっつ」は、懐かしいものを見て驚いたり、感動したりしたときに、思わず口から出てしまうようなイメージで使われています。
(A)
このオモチャ今でも売ってるんだ!なついなぁ。
(B)
うわ、なっつ!10年ぶりくらいに見たよこのオモチャ。
「なつい」の語源
「なつい」は「懐かしい」の略称ですが、そもそも「懐かしい」という言葉は「懐く(なつく)」が形容詞化されたものです。
もともと「懐く」は、「そばについていたい」「愛着がある」といった感情的な表現で用いられていました。現在のような「古い」「懐かしい」という意味で使われるようになったのは中世以降と言われています。
「なつい」の類義語
ノスタルジック
「ノスタルジック」は、昔のことや故郷を思い出したり古いものを見たりしたときに、懐かしいと思う気持ちのことを言います。英語の「nostalgic」に由来しています。
ちなみに「ノスタルジック」と似た言葉に「ノスタルジー」がありますが、こちらは英語の「nostalgie」に由来しています。「ノスタルジック(nostalgic)」は形容詞で、「ノスタルジー(nostalgie)」は名詞です。
回顧・懐古
「回顧」と「懐古」は、それぞれ同じく「かいこ」と読みます。意味においても「過去を思い返す」という点では共通していますが、微妙にニュアンスが異なる点があります。
「回顧」には、自分の過去を客観的に批評したり、反省したりする意味が含まれます。「顧みる(かえりみる)」という字が示すとおり「過去を振り返って考える」ニュアンスが含まれます。
一方の「懐古」は、「懐かしむ」という字が示すとおり、昔を懐かしく思い返すことを言います。「回顧」と異なるのは、昔のことを批評・反省をしているのではなく、あくまで「昔を懐かしく思い返している」だけという点です。
郷愁
「郷愁(きょうしゅう)」とは、「故郷を懐かしむ気持ち」や「過去の物事や昔の出来事を懐かしむ気持ち」のことです。
「郷」という字には「ふるさと」や「田舎」といった意味が含まれています。また「愁」という字には「物さびしさ」「うれい」「思い悩む」といった意味が含まれています。