「凸」の意味
「凸」は<とつ>と読み、「盛り上がった状態」「中高である」ということを意味しています。中高というのは、「凸」という漢字の形を見るとわかるように、中央が小高く盛り上がって、周囲が低くなっている状態です。
中央が盛り上がっている形をかたどっている象形文字の一つですが、ここまではっきりと形が意味をなしている漢字は珍しいです。また「凸」は単独で使われることはほとんどなく、他の言葉に付随して使われます。
凸る(とつる)
「凸る(とつる)」とは、「突撃する」という意味です。若者を中心に使われているスラングで、「話しかける」「会いに行く」「ネット上で配信者に連絡をする」といった意味があります。
「電話で突撃する」という言葉が「電凸」に変わり、「凸る」になったと言われています。「電凸」とは、マスコミや企業などに直接電話で質問をすることを指しています。クレーム的なニュアンスで使われることもあります。
凸る(でこる)
「凸る(でこる)」は、英語のデコレーション(decoration)から来ており、何かを派手に飾り付けすることをいいます。
主に若者言葉として使われ、「デコる」とも表記されます。例えば携帯電話に装飾をほどこした物をデコ電といいます。
基本的にはそのまま「デコ」を使うことが多いですが、漢字変換の際に「凸」が出てくるので、あえて「凸」が使われることもあります。
「凸」の反対語「凹」
「凸」の反対語は「凹」です。<おう>と読みます。意味は「くぼんでいること」「へこんでいること」です。
「くぼむ」とは、周りに比べて、そこだけが低くなっていることをいいます。「へこむ」は、何かに押されてくぼんでいることを意味しています。
凹む
「凹む(へこむ)」は本来、そこだけが低くくぼんでいる状態を表しますが、現代では一時的に気分が落ち込んだり、意気消沈するさまを表すこともあります。主に若者語としてよく使われ、「凹む」「ヘコむ」などと表記されます。
凸を含む言葉
凹凸
「凸」の反対の意味を持つ漢字は「凹」で、二つの文字を組み合わせると「凹凸(おうとつ)」「凸凹(でこぼこ・とつおう)」という言葉になります。物の表面が平らでないことを意味します。
【使い方】
- この道は凹凸(おうとつ)があって、走りにくい。
- あの二人は身長差が大きい凸凹(でこぼこ)コンビだね。
凸レンズ
「凸レンズ」とは、虫眼鏡などのように、ふちより中央の部分が厚くなっているレンズのことです。
平行に入った光がレンズの中を屈折して、収束されるという性質があります。遠視用眼鏡や老眼鏡に用いられています。
【使い方】
- 凸レンズは物を大きく見たいときに用いられることが多い。
- 理科の授業で、凸レンズの焦点の位置を確かめる実験を行なった。
凸面鏡
「凸面鏡」とは表面の中央部が盛り上がっている反射鏡のことです。より広い範囲を写すことができるため、自動車のバックミラーやカーブミラーなどに用いられています。ただし縮小されて映るため、距離感を掴みにくいというデメリットがあります。
【使い方】
- 平面鏡と凸面鏡では見え方が大きく異なる。
- 物理で凸面鏡の問題が出題された。