「全て」とは?意味や使い方を類語を含めてご紹介

「本日の演目は全て終了しました」「台風の影響により午後の便は全て欠航が決定しました」など時々耳にする「全て」。耳にはするけど自分ではあまり使わない、という方もいらっしゃるかもしれませんね。ここでは「全て」の意味や使い方を類語を含めてご紹介します。

目次

  1. 「全」と「全て」
  2. 「全て」の意味と使い方
  3. 「全て」の類語
  4. 「全て」「みんな」「全部」の使い分け
  5. 「全て」が含まれることわざ

「全」と「全て」

「全」は常用漢字で、「何もかもすっかりそろっている」という意味です。音読みでは「ゼン」、訓読みでは「まった・く」「すべ・て」と読みます。

また「すべて」の表記は、「全て」の他に「総て」「凡て」という漢字が用いられる場合もあります。しかし、これらの漢字の「すべ・て」という読みは常用漢字の音訓表には含まれていないため、「すべて」とかな表記されることが多いようです。

「全て」の意味と使い方

「全て」には、名詞的な使い方と副詞的な使い方があります。以下でそれぞれについて見ていきましょう。

「全て」の意味と使い方①(名詞的用法)

「全て」は「ある物やある事などのあらゆる要素」という意味があります。

【例文】

  • 彼の素晴らしい演奏に、観客全てが立ち上がって拍手を送った。
  • いずれ彼女の口から全てが語られるだろう。
  • 世界中の全ての子どもたちにプレゼントを届けたい。

「全て」の意味と使い方②(副詞的用法)

「全て」には、動詞を修飾して「ことごとく」「残らず」という意味もあります。

【例文】

  • 仕事も人間関係も全て投げ出して、見知らぬ地で彼と再出発する覚悟を決めた。
  • 今の自分にできることを全て出し切ったので、どんな結果になろうと悔いはない。
  • 退職金を全て使い果たしてしまった。

「全て」の類語

「全て」と同様に「全」という漢字を用いて、「決められた金額の全て」=「全額」、「全ての成員」=「全員」、「全ての試合に負ける」=「全敗」などと言い換えることができます。

また、その他にも「全て」には様々な類語表現がありますので、以下にその一部をご紹介します。

  • 全部
  • みんな
  • すっかり
  • ありったけ
  • 一切
  • 隈なく
  • 根こそぎ
  • 洗いざらい
  • もれなく

「全て」「みんな」「全部」の使い分け

上述の類語のうち「みんな」「全部」についてもう少し詳しく見てみましょう。

「全て」「みんな」「全部」は、「そこにある物や物事の集まりひとつひとつをもれなく含んだ総体」という共通の意味があります。ですから、「部員〇〇が賛同してくれた」「依頼された仕事は〇〇終わった」の「〇〇」には「全て」「みんな」「全部」のどれも用いることができます。

ただし、「みんな」「全部」が話し言葉で多く使われるのに対し、「全て」は書き言葉で多く用いられ、話し言葉で用いられる際も少し改まった雰囲気があります。

「全部」の使い方

「全部」には「ツアーの参加者は全部で15名です」のように数値的な「総計」を表現する使い方があります。「全て」は「個別の要素のどれもこれも」というイメージが強い表現のため、「総計」を表現する場合にはあまり適していません。

「みんな」の使い方

「みんな」には「みんな、ちょっと聞いて」のように、大勢の人に呼び掛ける代名詞としての使い方があります。この使い方は「全て」「全部」にはありません。

「全て」が含まれることわざ

「全ての道はローマに通じる」

ローマ帝国の全盛時代には、世界各地からの道がローマに通じていたことから、「全ての道はローマに通じる」は物事が中心に向かって集中することのたとえとして使われます。

転じて、目的を達成するまでの手段や方法はさまざまであることのたとえとしても使われます。さらに、あらゆる物事はひとつの真理から発していることのたとえとしても用いられます。

「終わりよければ全てよし」

「終わりよければ全てよし」とは、「物事は結末がよければ、その動機や途中の失敗などは問題にならない」という意味です。

「業者の経営破綻や納期の前倒しなど思わぬ事態が続きましたが、無事コンペで勝つことができました。終わりよければ全てよし、ですね。今日はパーッとお祝いしましょう」のように、過程はどうだったにせよ結果を評価しようという気持ちを込めて使われます。


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