「恨み」とは?意味や使い方を類語を含めてご紹介

「恨み」など持たずに、心安らかに生きたいものですが、そうはいかないのが、人の性(さが)・業(ごう)というものです。「恨み」が多くの類語を持つのも、そのためでしょう。ここでは「恨み(うらみ)」という言葉の意味や使い方を、類語を含めて説明します。

目次

  1. 「恨み」とは
  2. 1.不満に思って怒り憎む気持ち
  3. 2.恨みごとを言う
  4. 「恨み」に関することわざ
  5. 「恨み」と「怨み」「憾み」
  6. 「恨み」の類語

「恨み」とは

子供の頃、おもちゃの取り合いなどを仲裁されて、「じゃんけんで決めなさい。恨みっこなしだからね」などと言われた経験はあるでしょうか?「恨みっこ(うらみっこ)」は互いに恨みあうことです。

この「うらみ」とは、「怒り」に分類される感情の一つで、次のような意味があります。

  1. 他からの仕打ちを不満に思い、怒り憎む気持ち。
  2. 恨みごとを言うこと。
  3. 残念に思う。不満に思う。未練。

「恨み・怨み・憾み」は、どれも「うらみ」と読む漢字です。3の意味においては、多くの場合「憾み」と書きますので、この記事では1と2について説明しましょう。

1.不満に思って怒り憎む気持ち

意味

「恨み」とは、「他人からの行為や態度に不平・不満を感じたり、不当な扱いを受けたと感じた時などに怒り憎む感情」のことを言います。

自分のことを理解してもらえない、自分の思い通りにならないなどの不快な思いを我慢し続けることで、「恨み」という感情が生まれるのです。

使い方

  • 私のプリン、食べたのは誰?食べ物の恨みは恐ろしんだからね。
  • そのことで彼女に恨みに思うのはお門違いだ。
  • 彼は恨みのあまり理性が吹き飛んでしまったかのようだ。
  • 恨みの感情は誰にでも生まれ得るものです。

慣用句

【恨み顔】
うらんでいる顔つき、うらめしそうな表情のことを「恨み顔」と言います。「去り際の彼の恨み顏が気にかかった」のように用いられます。

【恨みを買う】
人に恨まれる、恨みを受けることを表す慣用句です。「どこで恨みを買ったのか覚えがない」のように使います。喧嘩は売る・買うの両方の表現がありますが、恨みを売るという表現はないようです。

【恨みを晴らす】
与えられた害を返す(仕返しをする)などして、恨みに思っていたことを解消するという意味です。復讐を遂げる、仇を討つなどと言い換えられます。歌舞伎や浄瑠璃の『義経千本桜』にも出てくる「この恨み晴らさでおくべきか」というフレーズは有名ですね。

2.恨みごとを言う

意味

「恨み言(うらみごと)」は、恨みを述べる言葉のことです。「恨み」のもうひとつの意味である「恨みごとを言う」とは、「不満に思っていることを言うこと」を指しています。

慣用句

この意味で用いられる「恨み」は、おもに次のような慣用句として用いられます。

【恨みつらみ】
「つらみ」は「辛いこと」ですが、「恨み」の音に重ねてあります。「恨みつらみ」とは、うらめしいことや苦しいことを表しており、「祖母は昔の恨みつらみを並べ立てていた」のように用いられます。

【恨みを飲む】
これは、うらみを言葉や態度に表すことなく胸の内に収めておくこと、あるいは無念な結末に終わったことを表す言葉です。おもに、「恨みを飲んで刀を納める」のように、時代がかった文章で使います。

「恨み」に関することわざ

「恨み骨髄に徹する」

「恨み骨髄に徹する(てっする)」とは、非常に強い恨みを 喩えた言葉で、「人をうらむことが深く激しい」という意味。「恨み骨髄に入る」も同義です。よく見られる「恨み骨髄に達する」は誤用なので、注意しましょう。

「恨みに報ゆるに徳を以てす」

恨みを抱くような相手であっても仕返しをするのではなく、 許しを以って、あたたかく接するべきであるということを、「恨みに報ゆるに徳を以てす(もってす)」と言います。老子の言葉に由来することわざです。

「人を恨むより身を恨め」

「人を恨むより身を恨め」とは、相手からの仕打ちをうらむ前に、自分の至らないことを反省せよという意味のことわざです。他人へのうらみは、やがて自分に返ってくるという戒めを表しており、類語には「人を呪わば穴二つ」があります。

「恨み」と「怨み」「憾み」

「恨」

「恨」は、「うら(む)・うら(めしい)」と読みます。残念に思う、憎らしい、悔しく思うといった意味です。

「怨」

「怨」という漢字は、訓読みでは「うら(む)・うら(み)」と読みます。「うらむ・うらみ」には、憎いという気持ちを持ち続ける、残念に思うというニュアンスがあります。

「憾」という漢字も「うら(む)」と読みます。この漢字を使う「うらむ」は、残念に思う、心残りに思うというニュアンスです。

「恨み」と「怨み」「憾み」の使い分け

最初に、「うらみ」を「残念に思う」という意味で使う場合は「憾み」と表記することが多いことはご説明しましたから、問題は、「恨み」と「怨み」の使い分けですね。

漢字を比較すると「怨」は憎いという気持ちを持ち続けるという意味合いですから、何年、何十年、時には世代を超えて抱き続けた深い憎しみを表す場合には「怨み」を用います。

とりわけ積年のうらみといったニュアンスを含まない場合は、「恨み」を使います。「恨み」の表記が一番汎用性が高いと言えるでしょう。

「恨み」の類語

「恨み」の類語には、「怨恨」「怨念」「遺恨」「怨嗟」などのように、「恨・怨」の漢字を含むものが数多くあります。その他の例をいくつか挙げてみましょう。

含むところ

「含むところ」という言葉の意味は、「心の中にある、不満の思いや恨みに思う気持ち」です。この言葉は、多くの場合「含むところがある/ない」という表現で用いられます。

  • 彼に対して含むところはないが、あのときの態度だけは許せなかったんだ。
  • 含むところがあるなら、不機嫌な顔をしていないではっきりと言いなさい。

憎悪

「憎悪」とは、憎むこと、憎み嫌うこと、を意味する言葉です。「憎しみ」よりも強い感情であるというニュアンスを持っています。

  • ヘイトクライム、日本語では「憎悪犯罪」と訳される、人種、宗教、性に対する差別などが原因で起きる犯罪が増えてきている。
  • 彼は、世の中のすべてを憎悪しているかのような昏い目をしていた。


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