「オブザーバー」とは
「オブザーバー」の意味
「オブザーバー」とは、英語の「observer」に由来するカタカナ語で、「観察者・観測者・監視者」、転じて「発言はできるが、議決権や発議権はない人・陪席者」という意味があります。
「observer」とは
英語の「observer」の主な意味は、見る人や見守る人という意の「観察者・観測者・監視者」や「(会議などの)傍聴者、立会人」、あるいは「意見を述べる人」です。
「observer」の語源
英語の「observer」は、動詞の「observe」に人を表す接尾辞「-er」を付けた名詞です。ラテン語の「observare(監視する)」が、フランス語を経て、英語の「observe」になりました。
ビジネス分野の「オブザーバー」
ビジネス分野の「オブザーバー」①会議の傍聴者・監視者
日本ではあまりありませんが、海外では、オブザーバーは傍聴者や監視者であることがあります。監視するのは会議の平等性で、意見が割れている時も、状況を整理し、私的な感情を交えることなく決議をまとめる必要があります。
そのため、専門家やエキスパートがオブザーバーとして招かれることもありますが、「第三者」の立場を貫かなければなりません。
ビジネス分野の「オブザーバー」②会議の立会人・観察者
日本において、オブザーバーの多くは立会人や観察者で、静かに見守るだけで提案やアドバイスの機会はありません。
とはいえ、見ているだけなら意味がないかというとそうではありません。「誰かが見ている」ということで、会議にほどよい緊張がもたらされ、公平にスムーズに進行する効果があります。
ビジネス分野の「オブザーバー」③現場の視察者
視察者とは、現地や現場に出向いて実際に状況を見極める人のことです。ビジネス分野では外部から来る視察者のことをオブザーバーと呼ぶことがあります。
「オブザーバー」の使い方
- 今度の会議のオブザーバーには外部の専門家をお招きした。
- 新人をオブザーバーとして参加させることで、彼らのスキルアップになるだろう。
- このプロジェクトが順調なので、視察に来るオブザーバーが増えた。
ゴルフの「オブザーバー」
ゴルフの「オブザーバー」とは
ゴルフのオブザーバーとは審判員の補佐のことです。プレイヤーのルール違反を審判に報告したり、判定困難な場面では審判をフォローする役で、裁定に関する決定権はありません。プロの大会においては、オブザーバーは競技委員会から選任されます。
「オブザーバー」の使い方
- ゴルフが下手なので、今度のコンペでオブザーバーを仰せつかってホッとした。
- オブザーバーの役割とはいえ、お得意様のルール違反を報告するのは気がひける。
国連の「オブザーバー」
「国連オブザーバー」とは
国連オブザーバーとは、国連の会議や討議に参加することを認められた、国連に正式加盟していない国や団体のことです。発言や提案をすることはできますが、投票権はありません。
現在、赤十字国際委員会(ICRC)や、ハーグ国際司法会議(HCCH)などの団体がオブザーバーとしての参加を認められています。
「オブザーバー国家」とは
国連オブザーバーのうち、バチカン市国のように国家として認められている国を、特にオブザーバー国家と呼んでいます。
「オブザーバー」の使い方
- 日本は1952年に国連オブザーバー資格を付与され、1956年に加盟国に昇格した。
- 常任オブザーバー国家のバチカン市国は、2004年、投票権以外の国連加盟国が有するすべての権利を認められた。
「オブザーバー」の関連語
アドバイザー
アドバイザーとは、忠告者・助言者・顧問という意味です。アドバイザーが会議に参加することもありますが、情報提供のために積極的に発言し、会議の進行を手助けします。同じ会議の参加者であっても、オブザーバーとは立場が大きく異なります。
オブザーバー・パターン
オブザーバー・パターン(Observer pattern)は、 コンピュータのプログラムのパターンの一種です。観察対象(subject)の状態を観察者(observer)が観察し、変化が起きたら通知する機能があります。
例えるなら、新幹線の指定席(=subject)にキャンセルが出たかどうかを、人間が見張っていなくてもシステム(=observer)が観察・通知してくれる、というイメージです。
スーパーバイザー
スーパーバイザー(supervisor)には、監督者・管理者という意味があります。日本においては肩書きや役職名として用いられますが、下記の通り、業界によって役割はさまざまです。
- 出版業…監督、監修
- テレビ業界…監修
- 飲食チェーン…本部管理職の中で、各店舗の責任者を指導する人
- 小売業…消費者のニーズを分析して仕入れ商品を選択する人