「体たらく」とは?意味や使い方をご紹介

人の様子を「体たらく」と表現することがあります。しかし、自分のことを説明する時も人に対して使う時も、「体たらく」という言葉を使うことに躊躇してしまう人もいるのではないでしょうか。今回はそんな「体たらく」の意味や使い方、言葉の成り立ちまで含めてご紹介します。

目次

  1. 「体たらく」の意味
  2. 「体たらく」の使い方
  3. 「体たらく」の言葉の成り立ち
  4. 「体たらく」の類義語

「体たらく」の意味

「体たらく」とは、もともとは良くも悪くも人のありさまやようすを意味する言葉でした。しかし、現在では「(人の好ましくない)ありさま」を指す言葉として使われています。

「体たらく」の使い方

  • 一時は世を騒がせた彼も、今はすれ違っても気付かれないほどの体たらく。
  • スマホの便利さに慣れすぎて小学生レベルの漢字も書けないとは、なんという体たらくだ。

このように、落ちぶれたさま、情けないさまを表す時に「体たらく」を用います。立派な態度、様子に対して「体たらく」とは言いません

「体たらく」の言葉の成り立ち

「体たらく」は、「為体」とも書きます。ここでは、「体(てい)」と「為(たらく)」に分けて、言葉の成り立ちをご説明します。

「体(てい)」について

「体」には、人や動物のからだ以外にも「かたち」「ありさま」という意味があり、「体たらく」の「体(てい)」はこちらの意味で用いられています。

この「体」は、「知らなかったていでお願いします」「ほうほうのていで帰って行った」のように用いられる「体」と同義です。

なお、「ていたらく」の「てい」の字に「低」や「底」を思い浮かべる人もいるかもしれませんが、それは誤用です。

「為(たらく)」について

「為」という字は、「ため」と読む場合も多くありますが、「為(たらく)」は、断定の助動詞「為り(たり)」が名詞化された言葉です。「為り」は「〜である」という意味ですから、「為」は「〜である様子」を意味しています。

「為(たらく)」は、助動詞「為り」に「く」をつける「ク語法」によって名詞化した言葉のひとつです。ク語法により名詞化された言葉はほかにも、「言う」から変化した「曰く(いわく)」、「老ゆ(おゆ)」から変化した「老いらく(おいらく)」などがあります。

「体たらく」の類義語

「体たらく」の類義語として「ざま(様)」を挙げることができます。「ざま」も「体たらく」と同様、好ましくないありさまを言う時に使われる言葉です。

そのため、「大口を叩いて、そのざまはなんだ」は、「大口を叩いて、その体たらくはなんだ」と言い換えることができます。


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