「わだかまり」とは?意味や使い方を例文を含めてご紹介

「わだかまり」とは人間関係がもつれてできる心のしこりのことです。漢字では「蟠り」と書き、蛇がとぐろを巻くように曲がりくねってねじれた心を表します。あまり味わいたくはない「わだかまり」について意味や使い方、類語などを紹介していきます。

目次

  1. 「わだかまり」の意味
  2. 「わだかまり」の使い方
  3. 「わだかまり」の由来
  4. 「わだかまり」の類義語
  5. 「わだかまり」の対義語

「わだかまり」の意味

「わだかまり」には2種類の意味があります。1つ目は、心の中に痞(つか)えている重苦しい感情やしこりです。不安や不満、不信など何かもやもやする気持ちを「わだかまり」と呼びます。

誰かとの間の不和や仲たがいによるものに使われ、漠然とした未来への不安や自分のことが信じられないという場面では好まれません。

2つ目は、自分の中に芽生えた邪(よこしま)な考えです。楽がしたい、だましてやろう、どうせばれないといった悪い思考のことです。

「わだかまり」の使い方

  • 嫌な別れ方をしたせいで、わだかまりを残してしまった。
  • 何のわだかまりもなく話し合った。
  • 胸につかえていたわだかまりが溶けていった。

「わだかまり」の由来

言葉の由来

「わだかまり」は「わだ」と「かまり」に分けられます。「わだ」は現在ではあまり使われませんが、入り江など曲がりくねった場所を表す言葉で、漢字では「曲」と書きます。内臓の「わた」もこれが由来だそうです。

「かまり」は体を折り曲げる「屈む」に由来すると考えられています。「かがむ」→「かがまる」→「かがまり」と変化してできたそう。その他、複雑に入り混じる「絡まる」に由来するという説や、胸の奥に痞える感じから「かたまり」であるという説もあります。

漢字の由来

「わだかまり」は漢字で「蟠り」と書きます。蛇や竜がとぐろを巻く様子を表す字です。心の中で悪い感情がとぐろを巻くようにぐるぐると渦巻いているということになります。

とぐろを巻いた蛇は重苦しくすっきりしない、複雑にもつれた印象を与えますので、それらが混ざり合って「蟠り」となったそうです。

また、「蟠り」には積もるという意味もあります。この場合は、いやな気持が降り積もっていき、蓄積されていくという意味になります。

「わだかまり」の類義語

軋轢

「軋轢(あつれき)」とはいざこざが起きることです。元は車輪や歯車がきしんでぎしぎしと音を立てるという意味でした。

今では歯車の軋みには使われず、人間関係がうまくいかずにぎすぎすしていることにのみ使われています。

確執

「確執(かくしつ)」は意見の不一致による争いや不和のことです。複数の意見がある場合にはその全てをかなえることが理想です。

しかし、それができず、かつ互いに譲らない時には争いになります。そういった争いごとや争いが生まれそうな状況を確執と呼びます。冷戦と言い換えることもできるでしょう。

葛藤

「葛藤(かっとう)」は2つのものが対立し、どちらが正しいとも言えない状態です。人間関係では互いにいがみ合い、譲らないこと。一人の人間の心の中であれば、やりたいこととやりたくないことから判断に迷う心理のことです。

例を挙げれば、仕事はしたくないけどお金は欲しい、旅行にも行きたいけれど家でダラダラもしたいことなどです。

「葛藤」は字の通り、植物の葛と藤を指していました。双方の枝が伸びていき、絡み合った様子から、複雑にもつれあって絡み合うという意味で使われるようになりました。

「わだかまり」の対義語

虚心坦懐

「虚心坦懐(きょしんたんかい)」とは心の中に何のわだかまりもない、さっぱりとした気持ちのことです。「虚心」は「無心」、「坦懐」は「こだわりがない」という意味です。同義語に「虚心平気」や「一点素心」があります。

明鏡止水

「明鏡止水」は邪悪な感情のない、明るく澄んだ気持ちです。人の心を曇りのない鏡と淀みのない水に例えています。

対義語に「意馬心猿(いばしんえん)」や「疑心暗鬼」、「玩物喪志(がんぶつそうし)」などがあります。


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