「楔」とは?意味や使い方をご紹介

「楔」の読み方は「くさび」です。社会で楔形文字と教わった方も多いのではないでしょうか。ところで、「楔」ってどんな形かわかりますか?今回は「楔」について意味や使い方を紹介します。合わせて物としての「楔」の形や役割も紹介します。

目次

  1. 「楔」の読み方と書き方
  2. 「楔」の意味
  3. 「楔」の使い方
  4. 「楔」の英訳

「楔」の読み方と書き方

「楔」と書いて「くさび」と読みます。アクセントは後半の「さび」の部分にあります。一般的には木へんに契を加えた「楔」の字が使われます。車の車軸に挟む場合には「轄」の字が使われることもあります。

「楔」の意味

道具の「楔」

「楔」は断面が角度の小さい三角形になっている道具です。形のイメージは8等分したショートケーキや三角形のチーズで大丈夫です。

「楔」は非常に原始的な道具です。先住民族や古代文明の人たちが利用していたものが出土しており、薪(まき)や石を割ったりするために使っていたと考えられています。

また、「楔」は物を繋ぎとめるためにも使われます。溝に「楔」を入れることで隙間が無くなり、ゆるみが取れるというわけです。わかりやすい例が、ドアストッパーです。形も三角柱で、まさに「楔」そのものですよね。

その他、重いものの下に挟み込んで隙間をつくるなどさまざまな用途で利用されています。

「楔」の使い方

「楔」は道具としての用途をもとにして、文章中では比喩として使われます。単独では使われず、もっぱら慣用句として使われます。代表的なものを以下に紹介します。

楔を刺す

「楔を刺す」は「念を押す」と同じ意味です。後からトラブルにならないよね、大丈夫なんだよね、と約束を再度確認することです。意味、使い方ともに「念を押す」と全く同じで、置き換えても問題ありません。

もし内容が悪いものや厄介ごとであるのなら、「釘を刺す」や「釘を打つ」で言い換えても大丈夫です。

楔を以って楔を抜く

「楔を以って楔を抜く」とは、悪を排除するのに別の悪を利用することです。古い楔や悪い楔を抜きたいけれど、そのままでは抜けないこともあります。そんな時は別の楔を打ち込んで隙間をつくると抜きやすくなるという意味です。

意味や使い方は「毒を以って毒を制す」と同じです。同様に、「暴を以って暴に易う(ぼうをもってぼうにかう)」、「油を以って油煙を落とす(あぶらをもってゆえんをおとす)」とも同義語となります。

楔を打ち込む

「楔を打ち込む」とは勢力を分断することです。戦争やスポーツでは敵陣に攻め込んで相手を2つに分けることや、相手の勢力地域に自分たちの地盤を築くことに使われます。特に恋愛などの人間関係に対しては、2人の仲を邪魔したり別れさせたりすることです。

「楔を打ち込む」はあくまでも分断することが第一義です。敵陣に足掛かりをつくるのであれば「楔を打ち込む」と言えますが、敵陣を分断させない場合、例えば自陣内だけで準備することには使えません。また、分断するといういみでは「楔を打つ」とはいえません。

楔を打つ

辞書には載っていない言葉ですが、「楔を打つ」という表現もネット上などで見られます。こちらは少しづつ成果を積み上げることや結びつきを強めるという意味で使われているようです。

注意が必要なのは「楔を打つ」と「楔を打ち込む」が全く異なる言葉であることです。仲を裂くことには「楔を打つ」は使えませんし、距離を縮める意味で「楔を打ち込む」を使うこともできません。どちらも誤用とされています。

「楔」の英訳

「楔」は英語で「wedge」です。片方の端が厚く、もう一方が薄いV字型をしたものという意味で、材質や用途は問われません。名詞だけでなく動詞にもなるので、固定したり割いたりする動作にも使えます。

発音は「ウェッジ」です。ゴルフクラブのウェッジと同じです。あれは先端が「楔」のような形をしていることに由来しています。


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