「精査」の意味について
「精査」とは物事について詳しく調べる、つまびらかにする、明らかにするという意味を持っています。「精査」の「精」には「細やかに」、「くわしく」、「念入りに」という字義があり、「精密、精巧、精細」のようにも使われています。また、「精査」の「査」には「調べる、明らかにする」という字義があり、「審査、調査、監査、考査」のようにも使われています。つまり、「精査」という言葉は似たような意味を持つ文字の組み合わせでできた言葉です。
「精査」の使用例
- 頂いた資料を精査した上で後日改めてお答えいたします。
- 膨大な契約書の中身を精査します。
- 作成した決算書の精査を上司に依頼いたします。
- 院内感染した経緯について数日掛けて精査します。
といったものが挙げられます。「精査」に「する」をつけて使われることが非常に多いです。
「精査」の類義語
「精査」と同様の意味を持つ言葉としては最初の見出しで挙げた「調査」も挙げられますが、そのほかにも「点検、検査、吟味、査閲、検視」といった言葉も挙げられます。基本的な意味は概ね「精査」と同じですが、使用する場面であったり細かいニュアンスはそれぞれで異なります。
例えば、文書類をよく調べる際には「精査」を使うことがありますが、「点検」といったら水道メーターやガスメーターなどに使われます。公の機関が特定の思想や信条について強制的に調べるというときには「検閲」を使います。
「精査」の対義語
「精査」の対義語としてあげられるのは「通覧」、「瞥見(べっけん)」といった言葉が挙げられます。意味としてはどちらも「ざっと目を通す」、「一通り目を通す」という意味です。
「通覧」という言葉の使用例を挙げてみますと、
- 研究生の書いた論文を教授がとりあえず通覧しただけで間違いを指摘されました。
- 近代史の書籍を通覧すると当時の人民の生活ぶりが大変良くわかります。
「瞥見」という言葉の使用例を挙げてみますと、
- 現場から送られてきた報告書を瞥見しても上司は何も意見をおっしゃいません。
- 陸上部で頑張っている彼に興味を持っているものの、私は只々瞥見するだけでした。
どちらもあまり耳にすることのない言葉なのでどことなく違和感を感じるかもしれませんが、上記のように使われます。
「精査」を英語で表すと?
「精査」について英語を調べると、それに適した英単語は見当たりません。「精査」の意味である「詳しく調べる」をそのまま英語にした表現となります。
- I will examine that report carefully soon.(私はすぐにそのレポートについて精査いたします。)
- I investigate contents thoroughly if I discover the documents.(その資料を発見したら内容を精査いたします。)
- A sign of unjust accounting of the company was seen when I was investigated financial thoroughly.(決算書を精査したら、不正経理の兆候が見られました。)
「精査」という言葉を英語で表すと、「examine...carefully」や「investigate...thoroughly」といった表現を用いることが多く見受けられます。
まとめ
「精査」という言葉の意味や使い方などについて触れましたが、ご理解いただけましたでしょうか?普段の会話の中ではあまり使われない言葉ではありますが、ビジネスやマスコミなどの媒体などでは大変よく使われます。もし今までご存知ではなかった方には、これを機に意味を覚えるだけでなく使えるようにもなって頂き語彙を拡げていきましょう。