「ポテンシャル」という言葉の一般的な意味
「ポテンシャル」という言葉がビジネスシーンや日常会話で出てくる場合は、「潜在的な能力」という意味や、「可能性」という意味で使われています。
「彼はポテンシャルが高い」や「ポテンシャルを高める」など、ポテンシャルの持ち主が人の場合は、その人が持っている潜在能力や将来性を指しています。
また「ポテンシャルの高い新商品」など、商品やサービスが主語の場合は、その商品やサービスが市場でどれだけ求められるか、事業としてどれだけ伸びるかという可能性を表しています。
物理用語としての「ポテンシャル」の意味
「ポテンシャル」という言葉には、「潜在能力」や「可能性」として使われる一般的な意味の他に、物理用語としての意味もあります。
物理用語としての「ポテンシャル」という言葉については、『広辞苑第七版』に、次のように説明されています。
〔理〕粒子が力の場の中にある時、その位置エネルギーを位置の関数として表したスカラー量。ポテンシャル一定の面は力線に直交し、力はポテンシャルの微分に負号をつけたものとなる。
「ポテンシャルエネルギー」とは
物理の世界では、「ポテンシャルエネルギー」という言葉もよく使われます。これは「位置エネルギー」と同意語で、『広辞苑第七版』では、下記のように説明されています。
【位置エネルギー】
〔理〕(potential energy)力が働いている場で、大きさが位置だけで決まるエネルギー。基準点から高さhにある質量mの位置エネルギーは、gを重力加速度とすると、 mgh になる。運動エネルギーとの和が一定のとき、力学的エネルギー保存則が成り立つという。ポテンシャル‐エネルギー。
人の能力を表す際の使い方
一般社会の中で「ポテンシャル」という言葉が最も多く使われるのは、人の潜在能力を表すときです。企業やスポーツチーム、ゲームのキャラクターに対しても同様に使われることがあります。
- ポテンシャルが高い
- ポテンシャルを引き出す
- ポテンシャルを秘めている
1の例は、隠れた能力や可能性をたくさん持っていて、これからの成長が期待されるという意味の褒め言葉です。主に、若手の人材を褒める際に使われます。
2の例はその人が持っているまだ発揮されていない能力を、周囲の力や、本人の新しいチャレンジによって発揮させるという意味です。
3の例は、これから伸びる可能性があるということです。
「ポテンシャル採用」という使い方
求人広告でよく見かける「ポテンシャル採用」とは、経験や実績ではなく、その人が持っている潜在能力や成長性に期待して人材を選ぶことを表す採用方針です。意欲や人柄を重視することが多く、未経験者でも応募できることが特徴です。
「キャリア採用」「経験者採用」「即戦力採用」などの対義語として使われ、多くの場合、第二新卒など若手の人材が対象となっています。
機械や車の性能を表す使い方
人の能力だけでなく、機械や車の性能を表す際にも「ポテンシャル」という言葉が使われます。たとえば「ポテンシャルの高い車」といえば、エンジンの性能がよい車や、走行性能が高い車のことを指します。
商品やサービスの市場規模を表す使い方
新しい商品やサービスが市場でどれだけ受け入れられるか、売り上げがどれだけ伸びるかという可能性を表現する際にも、「ポテンシャル」という言葉が使われます。
- ネットビジネスのポテンシャルは無限だ
- 新規事業のポテンシャルを予測する
1はこれから市場がどんどん広がるだろう、という意味です。2のポテンシャルは、その事業によってどれだけの売り上げが見込めるか、という可能性を意味しています。
よくない可能性を表す使い方
「ポテンシャル」はプラスのイメージの強い言葉ですが、災害や事故が起きるリスクなど、マイナスの可能性を示す際にも使われます。
たとえば「地域の災害ポテンシャルを可視化する」という場合のポテンシャルは、その地域でどんな災害が起こる可能性があるか、という意味で使われています。