「集まる」とは
「集(あつ)まる」には、「多くの物や人が一つのところに寄り合う」や「人の気持ちなどが注がれる」といった意味があります。
「集まる」の使い方
「集まる」には、「鯉が餌に集まる」「世間の同情が集まる」のような使い方のほかに、次のような熟語や慣用表現として用いられることがあります。
相集まる
「相集(あいあつ)まる」は「多くの人が、お互い一つのところに寄り合う」という意味です。室町時代中期ころから使われていたようで、「相聚」と書いて「あいあつまりて」と読んでいました。また、同じような意味の言葉としては「寄り集まる」という表現もあります。
居集まる
「居集(いあつ)まる」は「集まってすわる」ことです。古典的な言葉で、『源氏物語』などの文学にも用例が見られます。
ともは類を以って集まる
「ともは類(るい)を以(も)って集まる」は「似通っているものは自然と集まるものである」という意味の慣用句で、「類は友を呼ぶ」とも言います。
ちなみに「とも」と言う字には「友」のほか、「朋」「伴」「部」「侶」「共」などの文字が当てられることもあります。
「集」を用いた類語
この項では、「あつまる」、「つどう」、「むらがる」などを意味する「集」という漢字を使った表現を紹介します。
集団
「集団(しゅうだん)」は「同じ行動をしたり、同じ目的をもっている人たちの集まり」を意味しています。「集団登校(下校)」や「(マラソンなどの)先頭集団」のほか、「音楽集団」や「演劇集団」といった使い方があります。
集合
「集合(しゅうごう)」は「ある目的のために、人が意図的に集まる」ことを指しています。「集合時間」、「現地集合」といった表現で頻繁に使う言葉です。
集会
「会(かい)」という字にも「(人が)集まる」という意味があります。「集会」は「なにがしかの物事を決めるための人々の集まり」を表していますが、ほかに「会議」や「会合」、「大会」、「例会」といった表現も同様に、目的がある人たちの集まりという意味を含んでいます。
群集
「群集」は「人や動物が集まって、群(む)れをなしている様」を指す言葉です。「群(ぐん)」もまた、「(一かたまりになって)集まる」という意味を含んでおり、「一群」や「大群」、「群衆」といった表現があります。
密集・蝟集
「密集(みっしゅう)」は「隙間なく(密に)集まっている」こと、「蝟集(いしゅう)」は「たくさんあつまって存在すること」です。「蝟」という字は「ハリネズミ」を意味しており、その針が密集して生えている様を表しています。
そのほかの「集まる」の類語
たむろする
「屯(たむろ)する」は「兵士や、ある仲間などが群れ集まる」という意味です。現代では「あのコンビニには不良(ヤンキー)がたむろしている」といったような使い方をします。
殺到する
「殺到(さっとう)する」は、「ひとつのものや場所をめがけて、多くの人や物事が一度に押しよせる」ことを言います。
人が殺到する場所としては、バーゲンセールや初詣の神社やお寺、あるいはディズニーランドなどのテーマパークがあげられるでしょう。
「集まる」に関連する副詞とオノマトペ
わんさと
「人が大勢集まったり、物が大量にある様」を表す言葉として「わんさ」という言葉があります。「わんさ」は基本的に「と」を伴って「わんさと集まる」とか「わんさとある」という使い方をします。
一方では「わんさか」という表現もありまが、意味に違いはありません。同じく人(や動物)が一箇所たくさん集まる表現としては「うじゃうじゃ」という表現がよく知られています。
どっと
「人や物が一度に大量に集まること」を表した副詞として「どっと」という表現があります。まるで堤防が決壊して川の水があふれるような、あるいは山崩れで土砂が押し寄せるような勢いを含んだ表現となります。
「集まる」に関連するカタカナ語
ミーティング
「ミーティング(meeting)」は「会合」や「連絡会」「打合わせ」といった、「目的を持った人たちの集まり」を意味する英語から来たカタカナ語です。
ジャンボリー
「ジャンボリー(jamboree)」はボーイスカウトの体験がある人にとっては耳に馴染みがあるかもしれません。人々が集まる「野営大会」を意味し、キャンプのほか競技やキャンプファイアといったレクリエーションが催されます。