「承知しました」の意味と例文
まずは、「承知」の意味を調べてみましょう。
「承知」の意味は、
①その内容をうけたまわって知ること。
②聞き入れること。承諾する。
③とがめずに見逃すこと。
また、例文は、
①「皆さんもご承知のように」「既にご承知のことかと存じますが」
②「○○の件、承知しました」「はい、承知しました。」
③「人に喋ったら承知しないぞ」
と、このように使います。「承知しました」では、事情などを知って引き受ける、聞き入れるという意味になります。
「了解」の意味と例文
同じく、「了解」の意味も調べてみましょう。
「了解」の意味は、
①さとること。会得すること。また、理解して認めること。
例文は、
①「これは俺とお前の暗黙の了解だ」「○○について、了解しました。」
などというように使います。①で出てきた「会得」とは、「意味をよく理解して自分のものとすること」です。「さとり」や「意味を理解して自分のものにする。」など、改めて考えると、「了解」は自分を始点にしていることがわかりますね。
これに対し「承知」は相手が始点になっていると言えます。ゆえに、諸説ありますが、「承知」を使った方がより丁寧な姿勢が伝わるので、ビジネスにおいては「承知しました」を使うことが推奨されているようです。
ビジネスでの「わかりました」の言い方
コトバの意味辞典の他の記事でも扱っておりますが、ビジネスにおいては「承知しました」は目上の人に対して、「了解しました」は主に同僚や目下の人に対して使い分けるようになってきました。
「了解しました」ではなく「了解いたしました」であれば上司や取引先に使っても間違いではありません。ですが現在、上司にや取引先に、内容を理解したことを伝えたい場合は、「承知しました」「承知いたしました」や、「かしこまりました」がより丁寧で良いとされています。
また「承知しました」と「かしこまりました」の違いとしては、
- 事情や内容を知って聞き入れること→「承知しました」
- 指示や依頼などをつつしんでお受けすること→「かしこまりました」
と、なります。
ビジネスシーンにおいては、それほど細かい使い分けはされていないようですが、「かしこまりました」の方がより畏敬の念を表す印象が強いと言えます。
合点承知之助
皆さんは、「おっと合点承知之助だ」などというフレーズを聞いたことありませんか?「合点承知之助」は、有名なものでは、十返舎一九の東海道中膝栗毛に「そりゃあおいらがしゃうちの助だ」との記載があります。
これは、「承知」というのをふざけて人名にたとえて言う表現であり、地口や付け足し言葉と言われるものです。また、なんでも知ったかぶりをする者のたとえとしても使われます。
この「承知之助」は人々に親しまれたのでいくつかの派生語があり、「承知の助六」や「承知の浜」などとも言われるようになったようです。このような地口は他にも「驚き桃の木山椒の木」や、「恐れ入り屋の鬼子母神」「お茶の子さいさい河童の屁」などがあり、韻を踏んでリズムをつけたりして面白くした言葉遊びでもあります。
昔からある地口は最近ではあまり聞かれなくなりましたが、子ども向けに少しやさしくした本も出ていますので、お子さんと一緒に面白く読めるかと思います。また、最近では「マジ卍」なども地口の1つと言えますね。上司には言えませんが、時には面白おかしくメールを返信するのもいいかもしれません。