「三位一体説」とは?意味や使い方をご紹介

三位一体説は神と子と聖霊が同じでいるという意味のキリスト教の言葉です。が、そもそも聖霊って何?という人も多いでしょう。そこで今回は「三位一体説」についてその意味や歴史を説明します。また、本来の意味とは異なる意味や使い方も紹介します。

目次

  1. 三位一体説とは?
  2. 神、子、精霊とは
  3. 三位一体説の歴史
  4. 三位一体の使い方

三位一体説とは?

元々はキリスト教用語

三位一体説はキリスト教で最も重要な教えの一つで、多くの教派で信じられています。細かな違いはありますが、おおむね次のようなものです。

父なる神と子なる神、そして聖霊の三者は独立した存在ですが、その本質や実体は同じという説。教派によって名前が異なり、「聖三一」や「至聖三者」とも呼ばれます。英語では「Trinity」です。

理解するのが難しい考えで、「言葉で説明できないからこそ真理である」「理解を超えているから信じる」という言葉もあるほど。人間の理解を超えた、信仰の対象ということですね。

転じた意味

元々は上記のようなキリスト教の言葉だったのですが、現在では言葉だけが独り歩きして異なる意味で使われています。大抵は、三つのものが一セットになっている、バラバラの三者が一体となり心を合わせるといった意味で用いられます。

神、子、精霊とは

三位一体説では父、子、精霊が一体と教えています。しかし、キリスト教国ではない日本ではこの三者について詳しくない方もいるでしょう。ここではまず、この三者について整理してみます。

父なる神

父なる神とは、この世界の創造主のことです。世界人類を作った神なので、父と呼ばれています。バッハが音楽の父と呼ばれているのと同じです。

ユダヤ教のヤハウェやイスラム教のアラーとルーツを同じくするので、同じ神様と言われることもありますが、もちろん違う宗教なのでその教えや性質も異なります。

子なる神

子なる神はいわゆるイエス・キリストのことです。神の子というと天使や信者のことを指すこともあるので、三位一体説では子なる神や子神などと呼ばれます。

本来は神なのですが、人間を救うためには人間として死ぬ必要があり、そのために人として生まれてきた、神であって人でもある存在です。

聖霊

キリスト教でいう聖霊は、ファンタジーに出てくるフェアリーとは異なります。漢字も「精霊」ではなく「聖霊」と書きます。

漫画『聖☆おにいさん』では鳩の姿で描かれていますが、本来は実体のない存在です。キリスト教信者の中に住み、信者を導くといわれている神です。

イエス・キリストは十字架にかけられて死ぬことになりますが、その後に弟子や信者を導いてくれる存在が聖霊とされています。

三位一体説の歴史

難解な三位一体説ですが、最初から定義されていたわけではありません。三位一体説がキリスト教として正式に採用されたのは、381年のコンスタンティノープル公会議でのことです。

325年に開かれたニカイア(ニケーア)公会議で、イエス・キリストが神であることは決まったのですが、その時点では聖霊の扱いが決まっていませんでした。その後、コンスタンティノープル公会議で三位一体説が正式に認められました。

三位一体の使い方

最後に、宗教的な意味以外で「三位一体」が使われる例をいくつか紹介します。

三位一体の改革

小泉元総理が進めた地方再建・地方分権を目的とした改革です。その内容は、国庫支出金、地方交付税交付金、税財源の三つを整理するというものです。2001年からスタートしましたが、2005年に終了しました。

トリニティ実験

長崎に落とされた原子爆弾ファットマンと同じタイプの爆弾を作った核実験をトリニティ実験と呼びます。ネーミングは、英国17世紀の詩人ジョン・ダンの詩に由来するといわれていますが、詳しいことはわかっていません。

三位一体型援助

三位一体型援助とは貿易、投資、政府開発援助(ODA)の三つを組み合わせた発展途上国支援のあり方です。経済援助だけでなく、輸入拡大や大型の投資が大きな役割を果たすので、大きな効果をもたらすと言われています。


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