スラッガーとは
スラッガーの意味
野球の打者には、長打を狙う者や短打を重ねる者など、様々なタイプがあります。その中でも、ホームランなどの長打を打つ強打者のことを「スラッガー」と呼んでいます。「スラッガー」は、英語のslug「強くたたく」という言葉から由来しているといわれています。
スラッガーの使い方
- 甲子園で活躍したあのスラッガーは、予想通り、ドラフト一位でプロ野球入りした。
- 彼は怪我で野球を離れたが、高校時代は名の知れたスラッガーだった。
スラッガーの役割
「スラッガー」には、主に二つ役割があり、通常、打順の中では3番、4番、5番のクリーンアップを任されます。
- 出塁したランナーを本塁に返したり、自分でホームランを打つなど、自分の打撃によって確実に得点に結びつけること。
- 出塁したランナーがいない場合は、自分で単打や長打を放って出塁し、得点機会をつくること。
野球では、打率が高いことも大切ですが、打点をより多くあげることが必要とされています。近年、メジャーリーグでは、「スラッガー」などの強打者を2番におくチームが増えています。
これは、基本的に強打者から順に並べる打線が効果的であるという「2番強打者論」によるものです。その傾向は最近の日本のプロ野球でも見られるようになりました。
打者のタイプ
様々な打者がいますが、大きく分けて次のような4つのタイプに分類することができます。
ミートタイプ
ミートタイプは、確実に打つことに重きをおいた打者です。三振が少なく、単打(シングルヒット)や、早打ち(早いボールカウントから打つ)の打者が多いです。
パワータイプ
パワータイプはホームランが多い一方で、三振も多い打者です。パワースイングの打者が多く、「スラッガー」は概ねこのタイプに該当します。
ディフェンスタイプ
ディフェンスタイプはホームランやフォアボールが少なく、犠打の多い打者です。打力よりも守備力を期待される選手が分類されます。
バランスタイプ
バランスタイプは、打撃成績に大きな波がない打者です。単打や二塁打など効果的なバッティングをする打者がこれに分類されます。
代表的なスラッガー
王 貞治
王貞治はホームラン868本の世界記録保持者で、22年間でシーズン40本以上のホームランを記録しています。首位打者5回、本塁打王11回などの好成績を残し、パワー・爆発力・持続力・威圧感など全てを備えた日本プロ野球史上最強のホームランバッターであり、スラッガーです。
松井 秀喜
松井秀喜は日本のプロ野球だけでなく、メジャーリーグのニューヨークヤンキースでも活躍しました。メジャーリーグでシーズン20本以上のホームランを記録すること3回、日本人で初のワールドシリーズのMVPを受賞しました。「ゴジラ」の異名をもつ、日本人では最強クラスのパワーをもつスラッガーです。
ベーブ・ルース
ベーブ・ルースは、メジャーリーグでシーズン60本のホームラン記録を34年間保持し、生涯通算ホームラン714本という記録は39年間も破られませんでした。最初に野球殿堂入りとなった一人で、「アメリカ球界最大の巨人の一人」と評される伝説のホームランバッターです。
ハンク・アーロン
ハンク・アーロンは、ベーブ・ルースの通算ホームラン記録を破って755本を達成。この記録は33年間、メジャーリーグで歴代1位となっていました。
また、ホームランだけではなくトリプルスリー(ホームラン30本以上、打率3割以上、盗塁30以上)を達成するなど、俊足をもちあわせた安打製造機としても活躍しました。
高校野球の応援曲「you are スラッガー」
「you are スラッガー」は、多くのプロ野球選手を輩出している高校野球の強豪校、大阪桐蔭高校の応援曲です。
2018年ドラフト1位で千葉ロッテマリーンズに入団した藤原恭大(ふじわらきょうた)選手も同校出身で、藤原選手が夏の甲子園に出場していた時にも応援曲として使われて有名になりました。
今では、甲子園に出場する他の学校も、この曲を採用することが多くなりました。従来、多くの学校はプロ野球の応援曲など既存の応援曲を使っていたので、特定の学校の応援曲を使うのは珍しいことです。