「心」とは
「心」は「こころ」もしくは「しん」と読みます。また「心」という漢字は、「心臓」の形を元にした象形文字です。
「心(しん)」の意味と使い方
「心(しん)」の意味は以下の3つに分けられます。
- 体に血を送る器官(例:心臓、心拍数)
- こころ(例:心理学、好奇心)
- 真ん中(例:中心、重心、心棒)
「心(こころ)」の意味と使い方
「心(こころ)」とは、「考える」「覚える」「感じる」「思いやる」「決める」など、人間が何かを思ったり、ある気持ちを抱いたりする活動を行うと考えられているところを言います。
「考える」「覚える」などの活動は「知(知性)」、「感じる」「思いやる」などの活動は「情(感情)」、「決める」などの活動は「意(意志)」です。「心」の働きはこの知・情・意の三方面に区分することができます。
「心」の意味は多義的なものなので、ここではこの「知・情・意」という観点からざっくり三つに分けてもう少し細かく見てみましょう。
「心(こころ)」の意味と使い方その1
【意味】
- 知性・感情・意志すべてに関する活動が行われているところ
- もしくはその活動そのもの
【例文】
- 心を磨く
- 心を入れ替える
- 心のゆとり
- 心の病気
「心(こころ)」の意味と使い方その2
【意味】
- 思いやりやいたわりなど、ある感情を抱く活動が行われているところ
- もしくはそうした感情そのもの
【例文】
- 心を砕く
- 心が騒ぐ
- 心が弾む
- 心が沈む
【語例】
- 心づくし
- 真心
「心(こころ)」の意味と使い方その3
【意味】
- 意志を決定する活動が行われているところ
- もしくは積極的に何かしようとする気持ちそのもの
【例文】
- 心を決める
- 心に期する
【語例】
- 心構え
- 心づもり
「心」の語源
「心」の語源は「凝る(こる)」だと言われています。
『新編大言海』
「心」は「凝り」という音が「ココリ」になりさらに「ココロ」と変化したものだ、ということです。この場合の「凝り」というのはお腹の中に凝り固まっている物、すなわち「臓腑(ぞうふ)=内臓」です。
このように元々は「臓腑」が「心」の意味でしたが、次第に精神作用もそこで営まれていると考えられるようになり、現在の意味になったと言われています。
「心(こころ)」の対義語
「心身」「心技体」という言葉がありますが、「心」の対立語は「身」「体」です。「身」「体」が入れ物だとすると、「心」は中身だということができます。
「心(こころ)」の類語
「精神」
「心」の類語としては「精神」をあげることができます。「心」と「精神」は「人間の知識、感情、意志などのもとになるもの」という共通の意味を持ちます。
しかし、「精神」は、知・情・意という三つの「心の活動」の中でも、特に「知=知性」の働きに関するものを言います。そのため、「情=感情」の働きに関する表現は、「精神」ではなく「心」が用いられます。
「心に感じる」や「心の優しい人」と表現しても、「精神に感じる」「精神の優しい人」とは言わないのが好例です。
また、「精神」には「建学の精神」のように、「物事を支えている根本的なもの」という意味があります。「建学の精神」は大学のホームページなどでよく見られますが、その大学を設立した目的や理念という意味です。「心」にはこうした使い方はありません。
その他の類語
「心」が含まれる様々な表現にもそれぞれ類語があります。その中の一部をご紹介します。
- 心持ち…物事に対して感じていること
- 心遣い、心配り…相手に対していろいろと気をつかうこと
- 心を寄せる…好意を抱いたり熱中したりすること
- 心を許す…打ち解けること
「心(こころ)」の含まれることわざ
- 魚心あれば水心:相手が好意を示してくれれば、こちらも好意を持って応じようというたとえ
- 女心と秋の空:女性の男性に対する愛情は、秋の空模様のように変わりやすいということ
- 気は心:量や額はわずかでも、真心や誠意がこめられていること