「意外」の意味
「意外」とは、「考えていたことと実際が大きく違う状態」を指す言葉で、名詞や形容動詞として使用されます。また、現代では「意外と〜」のように、副詞として使用されることも多くなりました。
「意外」の使い方
「意外だ」
「意外」を名詞として使用する場合、「意外」が単体で主語になることはほとんどありません。例文のように「意外だ」の形で文末に用います。
【使用例】
- 彼が婚約していたとは意外だった。
- あなたがここにいらっしゃるとは意外でした。
「意外な」・「意外に」
一般的な辞書では「意外な」「意外に」は、形容動詞に分類されていますが、例文のように形容詞や副詞のような使い方になります。
【使用例】
- 誰も知らない意外な事実が明らかになる。
- 心配していたが、意外に元気そうで安心したよ。
「意外と」
「意外」を「意外と」という形で副詞として用いるのは、現代になって出てきた用法です。「意外と」は「意外に」がくずれて派生した言葉なので、「意外と」を「意外に」に置き換えることが可能です。
なお、「意外と」は、一般に話し言葉であり、フランクな表現ですので、目上の人の前や、かしこまった場面では「意外に」を用いた方が良いかもしれません。
【使用例】
- 妹は意外と身長が高い。
- このレストランは意外と美味しかった。
- 遅刻すると思ったが意外と間に合った。
派生語「意外性」の使い方
「意外性」は、「意外であるような性質」、「思いがけない驚きや予想外の仕掛けなどがあること」という意味を表しています。「意外性」は、同じく「意外」から派生した言葉「意外さ」で置き換えることができます。
【使用例】
- この映画のストーリー展開は、意外性があって良かった。
- 商品のプロモーションには意外性も大事な要素だ。
「意外」の類義語
予想と結果が違っていたことを表す言葉
「意外」の類義語で、「予想と結果が違っていたこと」を表す言葉には、次のような言葉が挙げられます。
- 「案外」
- 「思いの外(おもいのほか)」
- 「予想外」
予想と結果の違いが大きかったことを表す言葉
「予想と実際の出来事の違いが大きい」ことを強調して表す場合は、次のような表現があります。
- 「殊の外(ことのほか)」:思っていたのとひどく違っているさま。
- 「存外(ぞんがい)」:予期した以上であるさま。
- 「望外(ぼうがい)」:望んでいた以上に良いこと。
- 「慮外(りょがい)」:思っていたのと違っていて「あり得ない」という思いを含む。
「予想すらしていなかった」ニュアンスを表す言葉
「意外」は「立てていた予想が外れた」ことを表すので、次の言葉は、まったく同義とはいえません。しかし、実際の結果が予想の程度を著しく外れた場合には、「予想すらしていなかった」というニュアンスの次のような言葉で言い換えることができるでしょう。
「思い掛けない」とは「思ってもみない。予期しない」という意味、また、「思いも寄らない」とは「まったく予期しない。予想できない」という意味です。
「意表」は「思い掛けない」と意味は同じですが、主に「意表を突く」「意表に出る」という形で使われます。
「以ての外(もってのほか)」も「思い掛けない」という意味ですが、「予想を超えて甚だしくとんでもないこと」という意を含みますので、「王様に逆らうとは以ての外の振る舞い」のように、実際の結果をネガティブなものとして評価する場合に用いられます。
予想もしていないことへの驚きを表す場合
「意外」を、「予想もしていないことへの驚き」に着目して表現する類義語には、「不意」「唐突」「異様」「驚くべき」などが挙げられます。
「意外」まとめ
「意外」の上でご説明した類義語をご覧になって、多くの場面で「意外」という言葉しか使っていなかったと感じた方もおられるでしょうか。これを機会に、他の言葉にも目を向けて、より豊かな日本語表現を見つけてみてください。