「先駆者」とは?意味や使い方をご紹介

「先駆者」という言葉に、どんな感情を持ちますか。あこがれる一方で、なかなかなれるものでもない、と思ったりすることもありそうですね。でも、どんな分野でも、「先駆者」が存在するはずなのです。この記事では、「先駆者」の意味や使い方を解説します。

目次

  1. 「先駆者」とは?
  2. 「先駆者」例文
  3. 「先駆者」類義語
  4. 新紙幣に登場する先駆者たち

「先駆者」とは?

「先駆者(せんくしゃ)」とは、他の人に先立って物事をおこなったり、新たな分野を開拓したりする人のことを言います。

「先駆(せんく)」は、他の人や物事よりも先駆けて何かをおこなうことや、そのおこなった人のことを指す言葉で、「先駆をなす」、「先駆的」のように使われます。

「先駆者」例文

  • 明治維新の一連の流れは、激動の時代の日本を駆け抜けた先駆者たちの歴史である。
  • この分野の研究においては、間違いなくあの大学の研究チームが先駆者だ。
  • 日本の野球界からアメリカの大リーグに飛び込んだ先駆者たちがいたからこそ、現在のアメリカでの日本人選手の活躍がある。
  • どんな分野にも、初めてそれを切り開いた先駆者たちがいる。その苦労を忘れてはならない。
  • 江戸時代の医学書である『解体新書(かいたいしんしょ)』は、日本における西洋医学の先駆者である杉田玄白(すぎたげんぱく)らによって翻訳された。

「先駆者」類義語

【パイオニア(pioneer)】
英語で、先駆者、開拓者のことを表します。古代フランス語で「歩兵」を意味する言葉が語源と言われていて、歩兵が、歩いて他の人に先んじて道を切り開いていくようすから、この言葉が生まれたとされています。

【先覚者(せんかくしゃ)】
他の人たちより先に、あることの重要性を悟り、行動を起こした人のことや、他の人たちより先に、時代の変化が起きていることに気づいた人のことを指します。「先覚」の類語は、先輩、先進、先学などです。

【草分け(くさわけ)】
草深い土地を開拓して、そこに街を作ることや、作った人のことを指します。転じて、新しい物事を初めておこなうことや、その人のことも表します。

【開拓者(かいたくしゃ)】
新しい土地を開拓する人のことを指します。転じて、新しい分野を切り開く人のことも表します。

新紙幣に登場する先駆者たち

2019年4月に、20年ぶりに刷新される新紙幣のデザインが発表されました。新紙幣に使われる肖像画の人物は、それぞれがそれぞれの分野で先駆者と呼ばれる人たちです。

渋沢栄一

1万円札には、渋沢栄一(しぶさわえいいち、1840~1931)の肖像が使われます。

渋沢栄一は、元幕臣の実業家で、明治時代の初めには大蔵省で働き、退官後は第一国立銀行や東京証券取引所などの設立や経営に携わりました。彼が設立に関わった企業は、500を超えると言われています。そのため、彼は「日本資本主義の父」とも言われます。

また、社会・教育活動にも力を入れていて、日本赤十字社の設立や、日本女子大学校の設立にも関わっています。そのことから、「社会事業の先駆者」ともされています。

津田梅子

5000円札に使われるのは、津田梅子(つだうめこ、1864~1929)の肖像です。

津田梅子は、元幕臣の家に生まれ、1871年、満6歳の時に、岩倉使節団に随行してアメリカにわたり、1882年に日本に帰国します。帰国後は、英語教師として教えたのち、1889年に再びアメリカへ留学します。

1892年に帰国ののちは、女子教育に携わり、1900年に女子英学塾(現在の津田塾大学)を設立し、塾長となります。このため、「女子教育の先駆者」と評価されています。

北里柴三郎

1000円札には、北里柴三郎(きたざとしばさぶろう、1853~1931)の肖像が使われます。

熊本に生まれた北里柴三郎は、1874年に東京医学校(現在の東京大学医学部)に進学、卒業後は内務省衛生局に入局します。1886年にドイツへ留学し、1889年、破傷風菌の純粋培養に成功します。

帰国後の1892年には「私立伝染病研究所」を設立、1894年には、ペスト菌を発見しています。私立伝染病研究所所長を退いた後、「北里研究所」を創立します。これらの功績から、「近代医療の先駆者」「予防医学の先駆者」とも称されています。


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