「エア花見」とは?意味や使い方をご紹介

日本の花の代名詞「桜」。その桜が咲く季節になると同僚、仲間内、家族で花見の予定を立てる方も多いでしょうが、SNSなどで見かける「エア花見」は「花見」とどう違うのでしょう?今回は近年流行している「エア花見」の意味などを解説します。

目次

  1. 「エア花見」とは?
  2. 「エア花見」が支持される理由
  3. 花見について
  4. 「エア花見」まとめ

「エア花見」とは?

「エア花見」の意味

「エア花見」とは、「屋外の花見スポットなどに行かず、桜の画像や動画をタブレットやパソコンで鑑賞したり、生花や桜に関連するグッズを用いるなどして屋内で楽しむ花見の様式」のことです。2017年にはテレビ番組で取り上げられたり、ビール会社が後押ししてキャンペーンを行うなどの広がりを見せています。

「エア花見」の「エア」とは?

「エア花見」の「エア」は、ネットスラングとして使われる「(実際にはやっていないが)やっているつもりになる」「やっているフリをする」という意味の言葉で、「エア参加(イベントなどに参加しているつもりでSNSなどで盛り上がる)」、「エアプ(実際にはやっていないゲームをプレイしたフリをする)」などと同じ使われ方をしています。

「エア花見」の使い方

  • 今年の花見はエア花見にしてみようか。
  • 流行りのエア花見は私にはちょっと味気ない。
  • 今日は気温が下がったから、エア花見で正解だったね。

「エア花見」が支持される理由

天候に左右されない

花見の日程を決めても、天候によっては桜の開花が十分でなかったり、逆に散ってしまって花が残っていないこともあります。また、雨天だと中止になりますし、気温が低いと寒さに震えて花見どころではなくなってしまいます。エア花見は、開花状態や、雨や寒さの心配もありません。桜を飾ってエア花見を盛り上げる飲食店も増えてきました。

場所取りが簡単

大学のサークルや会社の新人の最初の試練とも言える「花見の場所取り」。早朝、あるいは前日からレジャーシートを広げて交代で番をしたり、場所が悪いと言われて怒られたりした経験がある方もおられるでしょうか。エア花見では、普通の宴会と同じく、飲食店などを予約するだけなので、リアルな花見よりも場所取りが簡単です。

花粉症にも優しい

桜の時期は、スギ花粉、ヒノキ花粉が飛んでいる時期です。年々増加している花粉症の方々にとっては辛い季節。飲んだり食べたりするとあってはマスクをするわけにもいかず、屋外での花見は辛いものです。エア花見は屋内ですので、花粉に苦しめられることはありません。

ご近所迷惑になりにくい

花見スポットでは、陣取りのレジャーシートが地面を埋め尽くして景観を損ねたり、桜の木などを痛めたり、酔客によるトラブルで近隣に迷惑がかかることも少なくありません。また、大量のゴミや放置されたゴミの処理なども問題になります。エア花見は、通常の宴会・パーティーと変わらないので、自治体や近隣への迷惑も少ないでしょう。

SNSでの盛り上がり

桜の季節は、TwitterなどのSNSなどで桜の写真などの投稿で賑わいますが、「#エア花見」などのハッシュタグでエア花見を共有するユーザも増えてきました。京都の美しい写真を投稿している「MKタクシー」の企業アカウントからも、「#エア花見」で桜の写真を投稿されています。

花見について

花見の起源

日本の花見の起源は、奈良時代の貴族の行事だと言われています奈良時代に鑑賞されていたのは中国から伝来したばかりの梅でしたが、10世紀初期からは桜が主流となっていきました。『日本後紀』には、嵯峨天皇が812年3月下旬に「花宴の節(せち)」を開催したとあり、時期的に桜が咲いていることから、これが記録に残る最初の花見だと考えられています。

花見の歴史

嵯峨天皇の影響で、桜の花見が貴族の間で急速に広まり、鎌倉、室町時代には武士階級に拡大、江戸時代になると庶民の間でも花見の風習が楽しまれるようになりました。江戸時代には桜の品種改良も盛んに行われ、ソメイヨシノもこの頃に作られたと言われる品種です。

明治時代になると、江戸の庭園や大名屋敷の取り壊しとともに桜の木も伐採され、江戸時代に作られた多くの品種は絶滅の危機に瀕しました。そこで、東京の植木職人・高木孫右衛門がこれらの木々を自宅に移植して保護、荒川堤の桜並木の造成に協力しました。

「エア花見」まとめ

「エア花見」の普及は、SNSの普及や会社行事が疎まれる傾向など、コミュニケーションの変化によって生まれたイベントです。桜の下での宴会は減るかもしれませんが、リアルな花を愛でる気持ちあっての「エア花見」であることも、また事実。通学や通勤の途中など、日常のひと時でも、花に目を止める心の余裕はなくしたくないものですね。

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