「エアプ」とは?
SNSなどで、「エアプ乙」「公式がエアプ」などの言い回しを見たことがある方も多いのではないでしょうか?
時には「(笑)」を意味する「w」という文字と共に投稿されている様子から、いい意味で使われているようには見えない場合も多々あるかもしれません。しかし、「エアプ」と単純な三文字ながら、字面だけでは意味の推測が難しい言葉ですよね。
「エアプ」とは、「エア・プレイヤー」「エア・プレイ」を省略したネットスラングのひとつです。主に各種ゲームの話題において、そのゲームのプレイヤーを中心に使われがちな表現で、「本当はこのゲームをプレイしていないのに、あたかもプレイしているような態度・またそのような態度でいる人間」を揶揄する言葉です。
「エアプ」の使われ方
個人に対しての「エアプ」の場合、本当に実際にゲームをプレイしていれば間違っても有り得ないであろう言動を、あたかも本当にプレイしたような態度で行う人間に対して使われます。
たとえば、チェスを一度でもプレイしたことがあれば、仮に詳細なルールを忘れたとしてもチェスの駒の色形程度は覚えているはずですが、それすらも曖昧な知識レベルでありながら堂々とチェス経験者を名乗るなどした場合です。
また、ゲームメーカーが、実際にゲームをテストプレイしていれば気がつかないはずのない、重大なバグやゲームの破綻を修正しないまま世に出してしまった場合や、ゲームの公式SNSアカウントが明らかに実際のゲーム仕様にそぐわないコメントを発表した際などにも使われます。
冒頭にもご紹介した、実際によく使われる例「エアプ乙(乙とはネットスラングのひとつで、「お疲れ様」の略語)」とは、つまり相手に対して「エアプレイお疲れ様」という痛烈な皮肉です。
ネットスラングの煽り文句にも多々ありますが、「エアプ」はその中でも比較的「冗談にしてもきつい」部類に入るでしょう。どうしても使いたいほど憤った場合を除き、基本的にはあまり使わないほうが無難な言葉です。
「エアプ」の由来
「空気椅子」「エア・ギター」という言葉を聞いた事がないでしょうか?「エアプ」の「エア(air=空気)」も、これらの言葉と同じように、「空気そのもの」を指す言葉ではありません。
「エアプ」の初出は明確ではありませんが、「エア・ギター」から着想を得た誰かの発言がインターネットで広まったと考えられます。「空気椅子」「エア・ギター」についてもご紹介しましょう。
空気椅子とは
「空気椅子」とは、実際は椅子のない場所で、まるで椅子に座っているような姿勢を保つことを指し、パフォーマンスの一種として有名です。近年ではエクササイズとして紹介されたこともあり、新しい可能性を見せています。
エア・ギターとは
「エア・ギター」とは、実際にはギターを持っていないにも関わらず、まるでギターを演奏しているような素振りをすることを指します。これは1970年代のハードロック・ボーカリストがマイクスタンドをギターに見立てて弾く素振りをすることがあり、その仕草が流行ったという説があります。
今ではエアパフォーマンスとして世界中で人気があり、日本を含め各国にエアギター協会があるばかりか、世界大会も開催されており、大変な盛り上がりを見せています。
類似の「エア・○○」
「空気椅子」「エアギター」など物を表す「エア○○」に始まり、「エアプレイ」という動詞を表す形が流行を見せるに伴い、インターネットでは日々様々な「エア○○」が生まれています。
「エアプレイ」など他者の行動を「エア」扱いする場合には攻撃的な意図が含まれますが、自分自身の行動を「エア」と呼ぶ場合は多くが「自虐」であり、無害なものがほとんどです。最後に、インターネットで比較的見かけやすい例をいくつかご紹介します。
エア出勤
「エア出勤」実際は出勤していないのですが、まるで普通に出勤したような気持ち・行動で時間を過ごすことを指します。気持ちだけでなく実際にスーツを着用し、規定の時間に交通機関を利用し、残業の演出がされる場合すらあります。
どうしても出勤したくない気持ちの表れや、急に職を失ったものの家族に言い出せないなどの止むを得ない事情がある場合もあるでしょう。
例「今日もエア出勤」
エア参加
「エア参加」イベントなどに参加したいもののどうしても参加出来ない場合に使われます。
実際は参加していないのですが、たとえばイベント用のコスチュームを自宅で着用するなどし、まるでイベントに参加しているような気持ち・仕草で該当の時間を過ごすことを指します。
例「どうしても行けないから、エア参加した。」
エア昼食
「エア昼食」昼食を摂りたいものの、何らかの事情で摂れない時などに使われます。
実際は食事を摂れていないのですが、まるで普通に昼食を摂っているような気持ち・仕草で過ごすことを指します。
例「お弁当を家に忘れたけど、会社の割り箸を貰ってエア昼食を食べたから大丈夫。」