「漣」とは?意味や使い方をご紹介

「漣」は「さざなみ」と読みます。難しい字ですよね。水面にできる小さな波のことで、心に広がる不安や不信という意味でも使われます。人の名前にもよく使われる人気のある字です。今回は「漣」の意味や使い方、類語などをご紹介します。

目次

  1. 漣の意味
  2. 漣の字義
  3. 漣の使い方
  4. 漣の類語
  5. 漣の英訳

漣の意味

「漣」は「さざなみ」と読みます。湖や池などの上を風が吹いた時にできる小さな波のことです。「さざ波」や「小波」、「細波」と書くこともあります。

心の中にできる「漣」は一抹の不安や動揺、不信を表します。人間関係や国際関係などでは小さな不和や争いのたとえとして使われます。

漣の字義

元々の字義

「漣」はさんずいに「連」です。さんずいが「水」を、「連」が「つながり」を表します。「水のつながり、さざなみ」という意味の字です。また、水がとめどなくつながることから、「涙が流れる」様子とも言われます。

人名に使われる場合

苗字にもありますが、下の名前に使われる場合、「れん」と読みます。湖や池よりは海がイメージされ、広く大きい心、落ち着いた性格という願いで付けられます。その他、小さな波が繰り返し訪れるイメージからコツコツと小さな歩みを重ねるという気持ちも込められるようです。

漣の使い方

使い方

「漣」ができることは「漣が立つ」、作り出すことは「漣を立てる」と表現するのが一般的です。また、波の一種なので、「寄る」や「寄せる」が使われる場合もあります。「揺れる」、「広がる」なども使われます。

和歌では「さざなみや」、「さざなみの」が枕詞になります。下にかかる言葉は「滋賀」、「大津」などです。これは元々滋賀県の琵琶湖沿岸部が「さざなみ」と呼ばれていたことに由来します。

例文

  • 漣一つない水面。泳いでいる鯉の模様までよく見える。
  • 彼のことを信じていないわけではない。けれど、心の奥に漣が広がるのを私は確かに感じていた。
  • あの日小さな漣を立ててから、二人の距離を遠く感じる。手を伸ばせば、届くはずなのに。

漣の類語

波風

「波風」は風が吹いて波立てることをいいます。あるいは波を起こす風のことです。「漣」と同じように不和やもめ事、つらいことのたとえとしても使われます。問題を起こすことを「波風を立てる」といいますよね。厳しい現実を「浮世の波風」「世間の波風」ともいいます。

波紋

「波紋(はもん)」は物が落ちた時に水面に広がる波模様です。落ちた場所を中心に外側へどんどん広がっていきますよね。この様子から、周囲に動揺を広げていくような影響という意味でも使われます。

「波紋を呼ぶような問題発言」とか「その事件は波紋を広げた」といった使い方をします。近年は「波紋を投じる」ともいいますが、これは「一石を投じる」との混同から生じた誤用という説もあります。

「波」は水面の上下運動を指します。原因は風だけでなく、地震や月の満ち引きなども考えられます。光や音など周りに次々と伝わっていく現象も「波」です。

「漣」や「波風」、「波紋」と異なり、小さな不和や動揺という意味では使われません。「波」という場合、もっと大きな社会の変化や歴史的な革新、革命を指します。時流や時勢などの個人では太刀打ちできない、逆らっても結局は流されてしまうという意味合いの強い言葉です。

その他、泡や雪などと同じように儚く消えてゆくもののたとえにも使われます。

漣の英訳

「漣」は英語で「ripple」といいます。静かに波紋が広がっていく様子が「ripple」です。激しい水しぶきを伴う王冠状の波になると「splash」となります。その他、「wavelet」も「漣」を表します。


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