「つける」の種類
「つける」にはいくつかの漢字表記があります。
- 付ける(附ける)
- 着ける
- 就ける
- 点ける
- 漬ける
- 尾ける(追ける)
「つける」は日常的によく使う動詞ですが、漢字によってそれぞれ意味や使い方が変わります。
つけるの意味:付ける(附ける)
付着させる、生じさせる
- ぴったりとくっつけて、離れない状態にする。付着させる。「贈答品にのしを付ける」「服にボタンを付ける」
- 付着した状態で、あるものを生じさせる。「栗の木が実を付ける」
- 折ったり押したり焼いたりして、しるしができるようにする。印す(しるす)。「家具に傷を付ける」「折り目を付ける」「蛍光ペンでしるしを付ける」
- 主となるものに添え加える。「商品におまけを付ける」
- 本体に付加する形で、そのものや状態、性質、能力などを新たに生じさせる。「巻末に索引を付ける」
状況を作る
- 反論や苦情を添え加えることによって、物事の順調な流れを妨げるような状況を作り出す。「演技にけちを付ける」「いちゃもんを付ける」「窓口の対応にクレームをつける」
- 自動詞のように使う場合。自らをその位置に置いて従い続く。「好位置に付ける」
- ある立場に心を寄せさせ、味方させる。与(くみ)させる。「味方に付ける」
- そばにいさせて護衛や監視に当たらせたり、世話をさせたりする。「会長に護衛を付ける」
感覚的なことがら
- (「○○に目を付ける」の形で)特別の注意や関心を向ける。着目する。着眼する。「着ける」とも書くが、「付ける」が一般的。「優良株にいち早く目を付ける」
- (「○○に気を付ける」の形で)注意を払う。配慮する。「健康に気を付ける」「二度と過ちを犯さないように気を付ける」
- ある状態に落ち着かせる。解決させる。決着させる。「決着を付ける」「勝負を付ける」「片を付ける」「けじめを付ける」「才能に見切りを付ける」
価値を定める
名前や値段や価値などを定める。「孫に名前を付ける」「記事に見出しを付ける」「商品に値段を付ける」「鉄鋼株が高値を付ける」
関係性を成立させる
- 関係づけてつながりを生じさせる。「両者に因果関係を付けて説明する」「向こう岸と連絡を付ける」「事前に渡りを付けておく」「言いがかりを付ける」
- あいまいな事柄に推察を加えそれと定める。「見当を付ける」「当たりを付ける」「見通しを付ける」「目星を付ける」
- 物事を成立させる。また、理屈による説明などを成立させる。「都合を付けて出席する」「折り合いを付ける」「言い訳はどのようにも付けることができる」
書き記す
書き記す。ノートや日記などの記録文書を作る。「会議の日時を手帳に付ける」「帳簿を付ける」「日記を付ける」
つけるの意味:その他
着ける
- 衣服や装身具を着用する。「衣服を身に着ける」「袴を着ける」
- 乗り物をある場所に寄せて止める。「船を桟橋に着ける」「車を車寄せに着ける」
就ける
- ある場所に位置させる。「子を床に就ける」「屈強の若者を守りに就ける」
- ある地位や仕事などに据える。特に、即位させる。「部下を要職に就ける」「嫡男を皇位に就ける」
- (「○○に就け」の形で)○○に関連して。○○に伴って。○○に応じて。漢字をあてず、「つける」とかな書きする場合も多い。「何かに就けて文句を言う」「それに就けても金が欲しい」「思い出すに就けても無念やるかたない」「暑いに就け寒いに就け不満が絶えない」
点ける
- 燃焼現象が起こるようにする。灯火をともす。「たばこに火を点ける」「明かりを点ける」
漬ける
- 物を液体の中にひたす。「洗濯物をぬるま湯に漬ける」
- 野菜などの食材を熟成させるために、塩、酢、こうじなどの中に入れる。漬物を作る。「きゅうりを漬ける」
尾ける(追ける)
- 行動を探ることを目的として、相手の後を追う。尾行する。漢字をあてず、「つける」とかな書きする場合も多い。「容疑者を尾ける」「犯人の車を尾ける」
「つける」の英語
「つける」の英語は、「付ける」の場合to together(密着させる)、put up(取り付ける)、などがあります。
- 電灯を点ける…turn on a light.
- 重役に就ける…make a company director.