「何卒」の意味とは?使い方や例文をご紹介

学生時代は、まるで縁の無かった「何卒」という言葉。しかし、社会に出ると社内外問わず、同僚やお客様とのメールのやり取りの中で使われます。「何卒」を適切に使いこなせなければ、恥ずかしいことや困ったことになるかもしれません。

目次

  1. 「何卒」の読み方
  2. 「何卒」の意味 ~強く願う気持ち~
  3. 「何卒」の使い方と例文
  4. 敬語の種類 ~ビジネスシーンで役立つ知識~
  5. 「何卒」+「謙譲語」の組み合わせで効果倍増
  6. 「何卒」まとめ

「何卒」の読み方

まずは改めて、「何卒」の意味を理解していきましょう。読み方はすでにご存じだと思いますが、念のために確認をしておくと「なにとぞ」です。「卒」を「とぞ」とは普段使いませんよね。しかし、「なにそつ」お願いします!と言ってしまい、恥ずかしい思いをしてしまう方もわずかながらいるはずです。
 

「何卒」の意味 ~強く願う気持ち~

「何卒」は、「相手に対して強く願いを望む気持ち」を表します。ですから、「どうか」や「なんとか」の意味で、丁重にお願いをする時に使われる「どうぞ」の改まった言い方です。

①「『なんとか』お願いします!」や「『どうぞ』お願いします!」
②「『何卒』お願い申し上げます!」

①の用例で使用するよりも、②の方がグッと引き締まり、よりフォーマルな言い回しになります。ここでお気づきになられた方もいらっしゃいますが、「文末」の部分が少し①と異なっています。

「何卒」の使い方と例文

ここで、先にご説明しなければならないのが、敬語表現です。敬語は会社によっては新入社員の社員研修などで改めて学ぶことの多いプログラムの1つです。なぜなら、社会人でも適切に、「尊敬語」と「謙譲語」の使い分けができずに、恥ずかしい思いをしてしまうことがあるからです。 
 

敬語の種類 ~ビジネスシーンで役立つ知識~

敬語には、三つの種類があります。

①丁寧語:聞き手に対して「丁寧」に述べる言葉

例えば、語尾に「です」、「ます」、「ございます」をつけます。「丁寧語」は中学生くらいになると先生や部活動の先輩などの上下関係をきちんと理解し、言葉の使い分けができる年齢になっています。そのため、「丁寧語」が使えないと人間関係もうまくいかないことを子どもながら理解するので、生きぬくために自然と覚えていくのではないでしょうか。ですから、大人になれば、「丁寧語」は当たり前のように使うことができますよね。

②尊敬語:目上の人に使ったり、相手を立てる時

では、「丁寧語」を使用した例と「尊敬語」を使用した例を挙げてみます。

①「課長が私の出張先に来ますか?」(丁寧語)
②「課長が私の出張先にいらっしゃいますか(おいでになりますか)?」(尊敬語+丁寧語)

いかがでしょうか。「丁寧語」のみで要件を伝えている①よりも「尊敬語」を合わせて使用した②の方が、より目上の人(ここでは課長)を立てているので、ビジネスの世界では、より相手に良い印象を与えることができますよね。
 

③謙譲語:自分がへりくだることによって相手を立てる言葉

自分がへりくだることによって相手を立てる言葉です。ここがポイントで社会人になっても「尊敬語と「謙譲語」の使い分けがうまくできずに、恥ずかしい思いをしてしまったり、使い分けをきちんとできることによって、相手に仕事が出来そうな人だ!とアピールすることもできます。よく間違いやすいのは、「見る」という動詞です。例を挙げてみましょう。

①「私が、御社(こちらも尊敬語)の資料をご覧になりますね。」
②「私が、御社の資料を拝見しますね。」

「見る」を使用する際の注意点は、「動作の主体」が誰かです。ここでは、「見る」のは、誰かというと、「私」ですから、へりくだって使っている「見る」は「拝見する」の②です。①は「見る」の尊敬語なので、自分自身に尊敬語を使っていますので、誤りです。

※ちなみに、古典で有名な「源氏物語」などには、「自尊敬語」というものもあります。どのような敬語かというと、「帝などの高貴な身分」の人が自分の動作に尊敬語を用いて、自分自身を高めている例もありますが、この記事をお読みの方に「帝」のような身分の方はいらっしゃいませんよね。

「何卒」+「謙譲語」の組み合わせで効果倍増

では、ここまでの知識を踏まえて、「何卒」と「謙譲語」を使ってみます。冒頭の方にも挙げました例をもう一度確認しましょう。

例)「『何卒』お願い申し上げます!」(謙譲語+丁寧語)

自分がへりくだった上に、相手に対して強く願いを望む気持ちの「何卒」を使っています。ですから、丁寧な表現でしかも相手を立てている表現といえます。
 

「何卒」まとめ

今回は、「何卒」という社会人の皆さんでしたら、1日に何度も使う表現には、このような効果があるわけです。理解して使い分けをするのと使い分けをしないのとでは、意味は変わってきます。

番外で現在では、使われない「最高敬語」の例を一つだけ挙げてこのお話を締めくくりたいと思います。先ほどの「言う」の謙譲語の「申し上げる」をさらに相手をたてる場合には「奏す」(帝に対して)、「啓す」(皇后や皇太子に対して)を使います。面白いですね。

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