「馬鹿」とは?意味や使い方をご紹介

悪口の代表例ともなっている、「馬鹿」。「莫迦」とも書きますが、それぞれ別の由来があります。普段当たり前に使っている「馬鹿」ですが、意味や語源はとても奥深いものがあります。そんな「馬鹿」の意味や使い方、由来をご紹介します。

目次

  1. 馬鹿の意味
  2. 馬鹿の使い方
  3. 馬鹿の由来
  4. 莫迦の由来
  5. 馬鹿の語源
  6. 馬鹿と阿呆

馬鹿の意味

馬鹿の意味を見てみましょう。一般的には次のような意味で使われます。

  1. 愚かなこと
  2. 役に立たないこと
  3. 常識はずれ

また、馬鹿には莫迦という別の漢字表記もあります。

馬鹿の使い方

愚かなこと

  • 「うちの夫がまた馬鹿なことしちゃってさ。」
  • 「馬鹿者。廊下に立っとれ。」
  • 新人からこんなアイデアが出るとは。もう馬鹿にはできないな。

役に立たないこと

  • ねじが馬鹿になっている。全然回らない。
  • 馬鹿とはさみは使いよう。

常識はずれ

  • 釣りバカというだけあって、釣りにかける時間とお金は並みじゃない。
  • とっさの思い付きだったが、異常なくらいバカ受けした。
  • あのかたいビンが外れるなんて。さすが姉さん、馬鹿力。

馬鹿の由来

かつて中国統一を成し遂げた皇帝、始皇帝。万里の長城を作った人としても有名ですね。「馬鹿」は彼の後継者たちの故事に由来すると言う説があります。

始皇帝の息子、胡亥(こがい)。彼は自分ではあまり政治を行わず、側近の趙高(ちょうこう)に権力を与えていました。趙高は元々、自分が権力を握るために無能な胡亥を皇帝にしたという逸話もあるような人物です。

馬か鹿か

さて、ある時趙高は皇帝に馬を献上すると話します。皇帝は早速その馬を見に行きますが、実物を見て驚きました。なぜならそれは、馬ではなく鹿だったからです。

「これは馬ではなく鹿だろう」「いえ、馬です」言い争う皇帝と趙高。そこで趙高は提案します。「他の役人たちに馬か鹿か聞いてみましょう」意見は分かれ、ある者は馬だと、別の者は鹿だと言います。

さて、この一件の後、鹿だといった役人たちは殺されてしまいました。そう、この一件は、趙高が自分に従うものを見極めるためにおこなった試験だったのです。

この後、秦王朝は衰退していきます。この故事から、自分の都合で事実を捻じ曲げる人を馬鹿と呼ぶようになったといいます。

莫迦の由来

「莫迦」は元々、仏教の説法をしていた僧侶たちが使った隠語という説もあります。「ばか」という音自体が仏教と関連の深いサンスクリット語であったとしたら、この説も説得力が出てきますね。

「莫迦」に使われる「莫」の字。漢文が得意な方ならご存知でしょう。これには否定の意味があります。では「迦」はどうでしょう。こちらは仏教の開祖、「釈迦」のことです。つまり「莫迦」とは「釈迦ではない人」を指す言葉なのです。

仏教は悟りを開くことを目標にする宗教です。そして釈迦は本来悟った人という意味です。ということは「莫迦」は悟れない人、つまり仏教に帰依しない人や説法に耳を貸さない人ということになります。ここから、教えを理解できない愚か者となったそうです。

馬鹿の語源

サンスクリット語説

「馬鹿」の語源も最も有力な説は古代インドで使われていたサンスクリット語に由来するという説です。「愚か」という意味の「moha」。これが「baka」に変わったとされています。

はかなし説

その他、日本古代の「はかなし」という言葉に由来するという説もあります。確かに儚いものを追いかけるのは馬鹿らしいことですね。

馬鹿と阿呆

「阿呆(あほう)」も「馬鹿」と同じように愚か者を指す言葉です。「馬鹿」との大きな違いは二つあります。

一つは使用される地域。「馬鹿」が東日本を中心に使われるのに対し、「阿呆」は西日本での使用頻度が高くなっています。もう一つは意味の違いで、「馬鹿」の持つ常識はずれという意味が「阿呆」にはありません。


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