施行の意味
施行は基本的には「しこう」と読みますが、「せこう」と読んでも構いません。意味は「決まったことなどを実地に行うこと」「法律・法令の効力を発生させること」「事を行うこと」です。
また「施行」を「せぎょう」と読む場合もありますが、こちらは「僧侶・貧民になどに物をほどこしあたえること」で、「せこう」と読む場合と意味が異なります。
「施行」の使い方
新聞・テレビでは「法律が施行されました」や「施行日は○月○日です」と、法律・法令の効力が発生する時に使われるのが一般的です。
「決まったことなどを実地に行う」「事を行う」という意味では、主に類語の「実施」や「実行」などが用いられるため、「施行」が使用されることは滅多にないでしょう。
また「ほどこしあたえること」とは上から目線のようですが、修行で檀家などの各家をまわる(=托鉢する)お坊さんに施行する(お米などを寄進する)ことは、仏教では施行する側も徳を積むことになるとされています。
「事を行う」の意味での使用例
「事を行う」という意味の「施行」の具体例として、中国の古典から1つ挙げてみます。中国は三国時代の政治家である、諸葛亮の有名な『出師表』に、以下の記載があります。
(事に大小無く悉(ことごと)く以てこれを咨(はか)り、然る後に施行する)
「施行」の中国古典での読み方
中国の古典を日本語読みにする場合は、以下のように場面によって読み方が変わります。
【施】
- ほどこす
- さらす
- ななめ(斜)
- すつ(捨)
- うつる(移)
- ひく(延)
【行】
- ゆく
- ゆくゆく
- みち
- おこなう
- おこなわる
- まさに
- おこないー
「施行」の英語表現
「施行」は英語では「operation」、形式ばった表現では「enforcement」となります。
また、「施行する」は「put (a law)into operation」または「enforce」、「施行される」は「come into force」「go into effect」「take efect」といった表現となります。