「処置」の読み方
まず「処置」は、「しょち」と読みます。「置」に関しては、訓読みで「お(く)」と読む字です。どちらの漢字も小学校では、六年生あたりまでに習います。
「処置」の意味
「処置」には、以下の二つの意味があります。
- その状況などに応じて、扱いを決めること。その扱い
- 傷や病気の手当てをすること
2はかなり限定されていて、病気への扱いという意味では、1に内包されているとも言えます。ただ少し使い方やニュアンスが違うので、ここでは分けて記載します。
ちなみに「処」の字は、物事が起こるなどの意味を持っています。一方で「置」の字は、しっかりと据えるなどの意味を持っています。
「処置」の使い方
「処置」は名詞としてそのまま使われる一方で、動詞として「する」や「したい」などをつけ、サ行変格活用されて使われます。
処置:扱いを決めること
【例:予想外の事態だが、適切に処置する】
これは1の意味であり、動詞としての例文です。「その事態に対して、適切な扱いを決める」ということを表します。
こういった使い方は、判断を下すようなニュアンスが強めです。他には「例の件について、早めに処置したい」でしたら、こちらも「早めに扱いを決めたい」と、そのまま言い換えられます。
処置:扱いのこと
【例:トラブルが起きたけど、彼の上手い処置で助かった】
これは1の意味+名詞として使っていて、扱いを決めるというよりも、その扱い=結果を示しています。「彼がそのトラブルを上手く扱ってくれて、助かった」のような意味です。
既に判断を下した後なので、扱いを決めることとは、ほんの少しニュアンスが違っていますね。他には「会社が傾いたが、彼女の処置によって立て直した」などのような使い方があります。
処置:傷や病気の手当てのこと
【例:虫歯は早めに処置するべきだ】
これは2の意味+動詞として使っています。そしてこの例文に限らず、その対象が傷や病気の場合は、治すという扱いが決まっており、2の意味を示すと言えるでしょう。
最初から治すと決まっているので、扱いを決めることとも扱いとも、ちょっとニュアンスが違ってきます。
たとえば1の意味の使い方で、「虫歯は早めに扱いを決めるべきだ」と言い換えてみると、分かりやすいかもしれません。これでは意味するところが大きく違っていますね。
言い換えるのでしたら「早めに治すべきだ」が適切であり、そこを踏まえると、ニュアンスの違いが理解しやすいかと思います。
「処置」を含む言葉
「処置」を含む言葉としては、「応急処置」が挙げられます。「応急処置」とは、急場に間に合わせるため、ひとまず施す手当てのことです。手当てなので、ここでの「処置」は2の意味ですね。
この言葉は「ここでは応急処置しか出来ない」や、「今は応急処置で精一杯だ」などのように使われます。他には同じような意味の言葉として、「救急処置」や「応急手当」があります。
「処置」の類義語
「処置」の類義語には、「対策」、「対処」、「措置」などがあります。どれも「処置」の1の意味と似ていて、言い換えとして使いやすい言葉です。
「対策」について
「対策(たいさく)」とは、相手の動きや事件の様子などに応じて立てる、処理の手段のことです。また中国の試験に関わる意味もありますが、本題から逸れてしまうので、ここでは省きます。この言葉は「対策を講じる」や「対策を練る」のように使われます。
「対処」について
「対処(たいしょ)」とは、その物事に対して、適切な処置を取ることを表します。「処置」の意味を含んでいるので、たとえば「適切に処置する」はそのまま、「対処する」と言い換えられます。
「措置」について
「措置(そち)」とは、上手く取り計らって始末することを表します。またこの言葉も、「処置」の意味を含んでいます。使い方としては、「措置を講じる」や「措置する」などのように用いられます。
他の言葉と使い分けが難しいですが、「措」の字は、モノを安定するように置くなどの意味を持っています。よって「措置」には少なからず、安定するようにといったニュアンスが含まれます。