「無骨」とは
「無骨(ぶこつ)」とは、「礼儀・作法を知らないこと」、「洗練されておらず風情のないこと」、または「ごつごつと骨ばっていること」という意味の言葉です。「武骨」とも表しますが、意味は同じです。
また、「骨が無い」と書きますが、「無骨」と「骨無し(ほねなし)」は異なる意味の言葉です。「ほねなし」は、「骨そのものがないこと」や「気骨や信念のないこと」を表します。
「無骨」の由来
「無骨」は、「骨無し(こちなし)」という言葉を音読みしたものです。「こちなし」は、「無作法であること」を表します。この「無し」は、「~がない」という意味ではありません。状態を表す言葉に付けて、形容詞化するために使われています。
「無骨」の例文と使い方
- 長年農業をしている祖父の手は、無骨で温かかった。
- 彼の世慣れしていない感じが、なんとも無骨だった。
- 着るものに無頓着な彼は、鞄も無骨でしゃれっ気がない。
このように、「無骨」は「手」や「人柄」、「身なり」など、さまざまなものに使われます。「ごつごつしている」という意味から、男性に対して使われることが多いです。
また、人柄については褒めているのかけなしているのか曖昧な言葉でもあります。本当に無作法で腹が立ったなら「無礼者」で済みます。しかし、「無骨者」は飾らない素朴な様子が逆に魅力となることもあるようです。
「無骨」の類語
「野暮(やぼ)」
「野暮」には、「人情の機微や世情にうといさま」「趣味などが洗練されておらず、風流を解さないさま」「遊里の事情に通じないさま」という3つの意味があります。あかぬけない感じがすることを「野暮ったい」といいます。
また、「野暮」をさらに強めた意味の言葉が「野暮天(やぼてん)」です。「天」は程度の高さを表します。
粗野(そや)
「言動などが荒々しく品がないさま」のことです。「粗」という漢字は、「ばらばらになってくだけた米」という意味があります。転じて、「おおざっぱ」や「粗末である」ことを表すようになりました。
スタイルとしての「無骨」
ファッション
男性のファッションの系統に、「無骨系」というものがあります。野性的で気取り過ぎないことが格好いいとされています。どの年代の男性でも取り入れられるスタイルですが、どちらかといえば30代~40代の落ち着いて渋みのある大人に人気のようです。
「この服装が無骨系」と決まっているわけではありません。ラフなアメリカンカジュアルや、シンプルでベーシックなスタイルなど、幅広いアイテムを組み合わせることができます。その中でもより「無骨らしさ」が出るアイテムをご紹介します。
- レザージャケット:色は黒がスタンダードです。
- デニム:ぴったりしたスキニーより、シルエットにゆとりのあるものが良いでしょう。
- ブーツ:編み上げやベルトなど、ちょっとしたアクセントがあると目を引きます。
インテリア
ファッションと同じように、インテリアにこだわる方もいるでしょう。まるで雑貨屋さんのようなおしゃれな部屋を、高級な家具がなくても手作りすることができます。男前かつ「無骨さ」が魅力のインテリアで、気分を変えてみても良いかもしれません。
- 色調は統一:黒、茶、白など落ち着いた色を選びます。観葉植物も良いアクセントになります。
- ステッカー:英文字ものがおすすめです。気分の上がる言葉を部屋中に散りばめましょう。シールはもちろん、ボードを吊ったり立てかけるのも素敵です。
- ウォールステッカー:壁紙を張り替えるのは難しくても、張って剥がせるウォールステッカーならお手軽です。レンガやコンクリートの柄が「無骨」な雰囲気を出します。