忠言の意味
あまり聞き慣れない「忠言・ちゅうげん」ですが、以下の意味があります。
- 忠告の言葉
- まごころからいさめる言葉。
- 不正や欠点を改めるように忠告すること。
端的に言えば、まごころを込めて忠告することを「忠言」と言います。相手のことを思いやって、欠点を指摘して直させることは大変な労力ですね。放っておいたほうが楽だけれど、相手に良くなって欲しいと願い「忠言」してくれるのです。
中国「孔子家語・六本」の孔子の言葉「孔子曰、良藥苦於口、而利於病。忠言逆於耳、而利於行」が由来です。
忠言の使い方
- 彼の忠言は素直に聞けなかった。
- 大人になって親の忠言のありがたさがわかる。
- 友人に忠言をしてケンカになってしまった。
- 君のことを思って忠言させてもらうよ。
- 母親から言われた忠言を自分の子供にも言ってきかせる。
「忠告」は皆さんよく使いますね。「忠告」よりも相手に寄り添い、欠点や不正を改めてほしいと願う場合に「忠言」を使って下さい。
忠言の類語とは
- 忠告
- 注意
- アドバイス
などが「忠言」を言い換えることが出来ます。会話で使うことが多いのは「アドバイス」ですね。
忠言を使うことわざ
忠言耳に逆らう
まごころを込めていさめる言葉や忠告は、聞く側にとってはつらいものだから、なかなか素直には聞き入れられないことの意味です。また、このことわざには「忠言耳に逆らえども行いに利あり」と続きがあります。「自分の行いを正すためには役に立つものだ」という意味です。
付き合いの浅い友人は「忠言」してくれません。「自分のために心を込めた忠言を言ってくれる親や、友人は大切だ」ということも説いていますね。時には感情的な言い合いになることがあっても、相手を思ってのことだから、後から考えると感謝できる関係です。
「良薬は口に苦し」「金言耳に逆らう」などが同じ意味です。
忠とは
「忠」はとても身近な漢字ですね。しかし、この「忠」は奥の深い漢字です。
儒教の根本道徳の1つで、「中」と「心」が結合して作られた文字です。本来「心の内となるまごころ」の意味でしたが、儒教において君臣の関係に用いられるようになりました。親子の「孝」と並んで、人間関係の基本とされるようになった言葉です。
- 真心を込めてよくつとめを果たすこと:「忠実」「尽忠」
- 主君や国家にひたすら尽くすこと:「忠誠」「忠義」「忠君」
上記の意味があります。日本においても、「忠」の概念は歴史があります。『日本書紀』、宣命(せんみょう)以来の史書や物語、仏書に「忠」を見つけることが出来るそうです。
「忠ならんと欲すれば孝ならず」
平重盛が、「父の清盛」と朝廷との間で苦悩した時に言った言葉として有名な成句です。「主君に忠義を尽くそうとすると、親に逆らうことになり、親に孝行しようと思うと主君に背くことになる」ことから、大切な二つの物の板挟みになって進退が難しくなることを意味します。
こういう状況は、日常的によくありますね。「仕事とプライベートどちらが大事?」と問い詰められると、「どちらも・・」だけれど、そう都合良くはいかないものです。
言とは
「言」は小学校2年生で習う漢字です。それだけに使用頻度も高く、常に見かける漢字ですね。
- ことば、いう。
- 口に出していうこと。
「言」が付く熟語を皆さんはいくつ思いつきますか。10個や20個は浮かびますね。「言葉」「言論」「言語」などたくさんあります。また、四字熟語やことわざの種類も豊富です。いくつかご紹介します。
一言一行「いちげんいっこう」
ひとつの言葉とひとつの行いから、何気ない言動のこと。
一言居士「いちげんこじ」
何かある度に自分の思っていることを逐一言わないと気の済まない人のこと。
薬石の言「やくせきのげん」
薬や治療のように効き目のある言葉、忠告をいう。