「なでしこ」とは?意味や使い方・花言葉をご紹介

「やまとなでしこ」や「なでしこジャパン」で広く知られている「なでしこ」という言葉ですが、その花言葉には花の色や種類によってちょっと意外な花言葉があったりします。今回は「なでしこ」の持つ意味や使い方を花言葉と一緒にご紹介します。

目次

  1. 「なでしこ」とは
  2. 「なでしこ」の花言葉
  3. 「なでしこ」の仲間たち(同属)と花言葉
  4. 「なでしこ」の仲間たち(異属)と花言葉
  5. 「なでしこ」を使用した呼称や愛称
  6. 「なでしこ」と俳句

「なでしこ」とは

ナデシコ科ダイアンサス(ナデシコ)属

「なでしこ」「ナデシコ科ダイアンサス(ナデシコ)属の総称」です。

「大和撫子(やまとなでしこ)」「河原撫子(かわらなでしこ)」ともいいます。「大和撫子」は中国原産の「唐撫子」と区別するための別名で、「河原撫子」はよく河原で咲くのでこの名前がつきました。

300種以上の品種があり丈夫で育てやすく毎年花を咲かせる多年草ですで、世界各地に分布しています。初夏から秋にかけて長く咲くので「常夏(とこなつ)」という別名もあります。

節のある細い茎が30センチほど直立していて、線形で白緑色の葉をつけています。淡紅色や白色の小さな花が枝の先に咲いていて、その細い糸状の花びらが集まって咲いている姿には優美さがあります。

「なでしこ」の由来

和名の「撫子」の由来は、その咲いている姿が「撫でたくなるほど可愛らしい」ことからと言われています。そこから幼い子供や女性のたとえとして使われるようになりました。

学名(属名)の「ダイアンサス(ナデシコ)」の由来

属名の「Dianthus(ダイアンサス)」は「Dios(を表すスペイン語)」と「anthos(を表す古典ギリシャ語)」を合わせた言葉です。直訳すれば「神の花」となりますね。

英名の「ピンク」

「なでしこ」の英名は「Pink(ピンク)」ともいいます。つまりピンク色とは元々「なでしこの花の色」のことを指していました。

日本では「ピンク色」のことを「桃色」と呼ぶことがあります。同じような色に思えますが、その語源で考えてみるとはっきりとその違いがわかりますね。

「なでしこの花の色」を「ピンク色」と呼ぶのに対して、「桃色」はもちろん「桃の花の色」を指します。同じ淡い紅色なのですが、少しだけ「桃色」の方が「ピンク色」よりも赤みが強い感じになります。

「なでしこ」の花言葉

なでしこの花言葉

「なでしこ」の基本的な花言葉は「純愛」「貞節」「無邪気」「思慕」「大胆」です。

淡紅色の繊細で可憐な花を咲かせている姿が、控えめで清楚な女性を連想させることから「純愛」「貞節」というような淑やかな花言葉がピッタリですね。

ひとつだけイメージの異なる「大胆」という花言葉は「西洋ナデシコ」の派手な赤い色であったり、なでしこが自然(緑)の中で咲いているさまが色鮮やかであったりすることからきているとされています。

ピンクのなでしこの花言葉

「純愛」

なでしこの中でオーソドックスなピンク色の花の花言葉は「純愛」です。ピンクは可愛らしい女性のイメージが強く、そこには純真さやひたむきさが感じられます。

赤のなでしこの花言葉

「純愛」「燃えるような愛」
八重咲の品種に対しては特に「純粋で燃えるような愛」

赤い色は情熱を感じます。花言葉も同じように情熱的なものになっていますね。愛の告白の時に添えてみてはいかがでしょうか。

白のなでしこの花言葉

「才能」「器用」

白い色はクールです。赤やピンクに比べて知的な印象の花言葉になっています。単なる美しさを褒めるのではなく、美しいセンスや優れた才能などを褒める時に贈ると良いですね。

「なでしこ」の仲間たち(同属)と花言葉

河原撫子(かわらなでしこ)

「可憐」「貞節」

別名「大和撫子」。日本原産で「なでしこ」の代表品種です。深い切込みの花びらでピンクのほかに紫もあります。繊細で凛とした印象もあり、秋の七草の中の「撫子」もこの種のことをいいます。

石竹(せきちく)

「女性の美」「快活」「お見舞い」

別名「唐撫子」。中国原産で平安時代に渡来してきました。花の色もよく開花時期も長い品種です。

髭撫子(ひげなでしこ)

「伊達男」「細やかな思い」「勇敢」「長く続く愛情」

別名「アメリカナデシコ」「美女撫子(びじょなでしこ)」。アメリカの名がついていますが、ヨーロッパが原産地です。苞(ほう:芽を包んで保護する小さな葉)の先端が長いひげのように伸びていることからこの名がついたとされます。

浜撫子(はまなでしこ)

「陽気な恋」

別名「藤撫子(ふじなでしこ)」。海岸の崖や砂地に紅紫色の花を咲かせます。

カーネーション

「無垢な深い愛」

赤いカーネーション 「母への愛」「愛を信じる」
ピンクのカーネーション「暖かい心」「女性の愛」
白いカーネーション 「亡き母を偲ぶ」

別名「オランダナデシコ」。母の日に贈る花として有名なカーネーションですので、母を連想させる花言葉が多くあります。

龍田撫子(たつたなでしこ)

「いつも愛して」「純愛」「純粋で強烈な愛」

別名「桜撫子(さくらなでしこ)」。交配の親としてよく使われ、カーネーションの元にもなっている品種です。カーネーションと同じくヨーロッパ地中海が原産地です。ピンクの花の中央に赤い輪のあるとても可愛らしい花を咲かせます。

「なでしこ」の仲間たち(異属)と花言葉

霞草(かすみそう)

「清らかな心」「無邪気」「親切」「幸福」

ナデシコ科カスミソウ属。和名で「群撫子(むれなでしこ)」「花糸撫子(はないとなでしこ)」という呼び名もあります。

繁縷(はこべ)

「ランデブー」「愛らしい」

ナデシコ科ハコベ属。春の七草のひとつです。

酔仙翁(すいせんのう)

「私の愛は不変」

ナデシコ科マンテマ(シレネ)属。「酔仙翁」の由来は京都嵯峨の仙翁寺に咲いていたからと伝えられています。

虫取り撫子(むしとりなでしこ)

「罠」「未練」「誘惑」「青春の恋」「裏切り」

ナデシコ科マンテマ(シレネ)属。別名「蠅取り撫子(はえとりなでしこ)」。葉の下の茎に粘液を出す部分があり、そこで小さな虫(蟻など)を捕えたり、花の蜜への侵入を防いだりしています。食虫植物ではありません。

「なでしこ」を使用した呼称や愛称

大和撫子(やまとなでしこ)

清楚で凛とした日本女性の美しさを植物の「大和撫子」の可憐で優美な咲き姿にたとえた呼称です。

「大和撫子」とは?意味や使い方を由来を含めてご紹介

なでしこジャパン

サッカー女子日本代表チームの愛称です。2004年のアテネオリンピックの時に日本サッカー協会が一般公募を行い選んで決定しました。

ヤングなでしこ

U-20サッカー女子日本代表チームの愛称です。2012年の日本開催のU-20ワールドカップの時に広まり定着したとされています。

なでしこリーグ

日本女子サッカーリーグの呼称です。

「なでしこ」といえば「女子サッカー」を連想する言葉ばかりですね。ここ数年ですっかりそのイメージがついたようです。

「なでしこ」と俳句

「なでしこ」は秋の七草のひとつですが、俳句では夏(晩夏)の季語になります。

  • 酔うて寝むなでしこ咲ける石の上     松尾芭蕉
  • 露の世や露のなでしこ小なでしこ     小林一茶
  • 撫子や堤ともなく草の原         高浜虚子
  • なでしこや人のたのまぬ世すごしに    中村汀女
  • 撫子や濡れて小さき墓の膝        中村草田男
  • 撫子やそのかしこきに美しき       広瀬惟然


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