「絶対」と「服従」
まず「絶対服従」は「ぜったいふくじゅう」と読み、この言葉は「絶対」と「服従」、二つの単語に分けられます。
「絶対」
「絶対」は複数の意味を持っている言葉です。その中でも「絶対服従」においての「絶対」は、必ず、何がどうあっても、ということを表します。
「服従」
「服従」とは、ほかの支配や権力、意思や命令に従うことを表します。ちなみに従うとは、逆らわずについていく、言うことを聞く、というような意味です。
「絶対服従」の意味や使い方
上述を踏まえて「絶対服従」とは、逆らうことは決して容認されず、何があっても(相手の)命令に従うことや、そういった様子を表します。意味が意味なので、従うというニュアンスはかなり強めです。怖そうなイメージを抱く方も多いかもしれません。
使い方に関しては、たとえば「リーダーには絶対服従です」だと、「リーダーに逆らってはいけない、リーダーの命令には必ず従う」というように伝わります。「彼女に絶対服従を誓う」の場合は、「彼女の命令に逆らわないことを誓う」というような意味合いです。
他には「絶対服従する」や「絶対服従して」などの形で、サ行変格活用されます。また「絶対服従」は、小説や漫画のタイトルに使われていたりもします。
「絶対服従」の例文
- 「何があったのかは分からないが、彼は彼女に絶対服従だ」
- 「部下は主君に対して、絶対服従しなければならない」
- 「雇われた身として、雇い主に絶対服従する」
- 「あの人には大きな借りがあるので、絶対服従せざるを得ない」
「絶対服従」と似た意味を持つ言葉
「絶対服従」と似た意味を持つ言葉としては、「忍従」、「恭順」、「従順」などが挙げられます。
「忍従」
「忍従」は「にんじゅう」と読み、耐え忍び、言われるがままに従うことを表します。従うという部分は「絶対服従」と同じですが、比べると「忍従」は、我慢というニュアンスが強めです。
本当は逃げ出したい、反抗したいけれど、その気持ちをグッと堪えて従うようなときや、そういう様子を指して、「忍従」は使われます。具体的な使い方としては、「ひどい扱いに忍従する」や、「ひとまずこの場は忍従しておく」というような形です。
「恭順」
「恭順」は「きょうじゅん」と読み、命令に対して大人しく、慎んで従うことを表します。慎みとは、控えめな態度や、畏まった態度のことです。
「絶対服従」と比べると、従う態度がある程度、限定されていますね。「執事として、主人に恭順の意を表する」や、「王様の命令に恭順する」というように使われます。
「従順」
「従順」は「じゅうじゅん」と読み、素直で大人しく、人の言うことに逆らわないことや、その様子を表します。
ここでの「逆らわない」とは、どちらかと言えば「命令に必ず従う」というよりも、「人からの注意などを素直に受け入れる」というようなニュアンスが強めです。そういった部分を踏まえれば、「絶対服従」や「服従」と使い分けやすいかと思います。
またこの言葉は「柔順」とも書き、読み方は同じなのですが、「柔順」はそういう素直で大人しい、穏やかな性格を表します。
「絶対服従」と反対の意味を持つ言葉
「絶対服従」と反対の意味を持つ言葉としては、「抵抗」や「反抗」などが挙げられます。
「抵抗」
「抵抗」は「ていこう」と読み、いくつかの意味を持っていますが、中でも歯向かうことや逆らうこと、素直に受け入れがたい気持ちという点が、「絶対服従」とは対照的です。
この言葉は「権力に抵抗する」や「捕まりそうになったので、抵抗する」などのように使われ、どちらも反発することを表しています。
「反抗」
「反抗」は「はんこう」と読み、命令や権力などに従わないことや、歯向かうことを表します。こちらも「絶対服従」とは対照的であり、一方で「抵抗」とよく似ている意味ですね。
使い方に関しても、「現体制に反抗する」など、「抵抗」と似たような感じです。また子供の拒否的な態度や行動を、「反抗期」と表したりします。