タイムリーの意味
「タイムリー」は英語の「timely」から来たカタカナ語です。形容詞として使われ、『広辞苑』第六版では「時宜にかなったさま。好時機。適時。」と定義されています。
日本語に直すとかえってわかりにくいかもしれませんが、つまり「ちょうど良いタイミングで」「世の中の風潮に合った」という意味になります。
野球用語としてのタイムリー
野球ではよく「タイムリーヒット」の形で使われます。「塁上の走者を生還させることができたヒット」のことで、略して「タイムリー」とも呼ばれます。
ヒットは安打とも言われるので、日本語にすると「適時打」「適時安打」となります。同じように野球用語で「タイムリーエラー」がありますが、これは「相手の走者を生還させてしまうエラー」のことです。
野球のタイムリーは和製英語
気をつけなければいけないのが、「タイムリーヒット」も「タイムリーエラー」も和製英語である点です。
「タイムリーヒット」は英語では「RBI hit」「clutch hit」です。「RBI」は、「Run Batted In/Runs Batted In」の略で「打点」という意味です。ちなみに、「タイムリーツーベース」は「RBI double」です。「タイムリーエラー」は「error」「run-scoring error」と言います。
「タイムリー」は本来「ちょうど良いタイミング」という意味なので、「タイムリーエラー」は「ちょうど良いタイミングのエラー」という意味になってしまいます。「タイムリー」が肯定的な意味に使われやすく、「エラー」が否定的な意味の言葉なので、組み合わせて使うと不自然な感じがしますね。
「タイムリーヒット」が「得点に結びつくヒット」という意味で作られたことから、「対戦相手の得点に結びつくエラー=タイムリーエラー」という和製英語が作られたのかもしれません。
タイムリーの例文
【ちょうど良いタイミングで】
- このメルマガは就職活動を進める上で、タイムリーなアドバイスを配信してくれる。
- 友人と先生の悪口を言っていたら、タイムリーなことにその先生がやって来た。
- 欲しかった家電がちょうど値下げしていたので、タイムリーだった。
【世の中の風潮に合った】
- 弊社は皆様に役立つ情報をタイムリーにお届けします。
- このアプリはタイムリーなニュースや話題を見ることができる。
- タイムリーな商品陳列が売上アップのカギだ。
【野球】
- 8回裏、タイムリーヒットで同点に追いついた。
- その選手は監督の期待に応え、タイムリーツーベースを放った。
- 新人が代打でタイムリーを放ち、1点差に迫った。
タイムリーの類語・対義語
<類語>
- 時宜
- 好機
- 適時
- 折よく
- いい機会
- 千載一遇
- タイミングのいい
- 絶好のタイミング
- 渡りに船
<対義語>
- アンタイムリー
- 間の悪い
- 折あしく
- タイミングの悪い
- 時宜に遅れる
- 時宜を逸する
- 時機を逃す
- 時期尚早な
タイムリー(timely)の語源
「timely」は「time」に接尾辞の「ly」が接続してできた言葉です。比較級は「timelier」、最上級は「timeliest」で、1200年代から使われるようになったようです。英語では形容詞・副詞として使われます。
タイムリー(timely)の類語・派生語
<類語>
- well-timed(形)<言動が>時宜を得た、好機の
- seasonable(形)季節[時候]にふさわしい、時節に合った
<派生語>
- timeliness(名詞)タイミングの良いこと
- untimely(形容詞・副詞)タイミングを誤った、折りの悪い
タイムリー(timely)の例文
- Thank you for your timely help.(タイムリーな助け舟をありがとう)
- We provide information in a timely mannar.(当社は情報をタイムリーに提供します)
- Our boss always give us timely and accurate advice.(私たちの上司はいつもタイムリーで正確な助言をしてくれる)