「専心」とは?意味や使い方をご紹介

「専心」という言葉をご存知でしょうか。普段の生活ではあまり見聞きしない言葉ですが、「専心」に含まれる意味の「専念」でしたら、よく使う方もいらっしゃるかと思います。ここではそんな「専心」の意味や使い方、類義語などを、順々に紹介してきます。

目次

  1. 「専心」の読み方
  2. 「専心」の意味
  3. 「専心」の使い方
  4. 「専心」を含む四字熟語
  5. 「専心」の類義語
  6. 「専心」の対義語

「専心」の読み方

まず「専心」は、「せんしん」と読みます。訓読みで「専」は「もっぱ(ら)」と読み、「心」は「こころ」と読みます。「心」に関しては名前などにもよく使われていて、比較的、見かけやすい字ですね。

「専心」の意味

「専心」とは、心を一つの物事に集中させ、熱心に励むことを表します。また、専念の意味を含みます。そして専念は、「専心」とほぼ同じ意味です。

ちなみに「専」の字は、他のものを交えない、一途などの意味を持っています。一方で「心」の字は、精神的な働きや、何かの根本などの意味を持っています。

「専心」の使い方

上述の通り「専心」と専念は同じような意味なのですが、幅広い事柄に使われる専念に対して、「専心」は学問や研究に励むことを指し、多く使われます。また、副詞的にも用いられます。

  • 研究に専心する
  • 専心努力する
上記の例文、後者の「専心」が副詞として用いられているのがおわかりでしょうか。たとえば「とても熱い」の場合、副詞にあたるのは「とても」の部分です。「熱い」を装飾している形ですね。

同様に後者の例文も、「努力する」を「専心」で装飾しています。単に「努力する」と言ってもよいところを、「専心(熱心に集中して)努力する」と、「専心」が「努力するさま」をより詳しくしているわけです。

「専心」を含む四字熟語

「専心」を含む四字熟語としては、「一意専心」が挙げられます。

「一意専心」について

「一意専心」は「いちいせんしん」と読み、ほかに心を向けず、ひたすら何かに集中することを表します。「一意」とは、心を集中することなどの意味を持つ言葉です。

よって「一意専心」は、似た意味の言葉を組み合わせることで、励むことを強調しているわけですね。「一意専心、○○に取り組む」と使えば、より強く集中して取り組むことが伝わります。またこの言葉は「専心一意」とも書かれますが、意味は同じです。

「一意」とは?使い方や意味をご紹介
「一意専心」とは?意味や使い方をご紹介

「専心」の類義語

「専心」の類義語には、「傾注」、「夢中」、「没入」などがあります。

「傾注」について

「傾注」は「けいちゅう」と読み、何かに力や心を集中することを表します。「専心」と非常に似ていますが、「傾」はそのまま傾くなどの意味を、「注」は一点に向けて集めるなどの意味を持っています。

よって「傾注」は、その物事に向けて心が傾く、というようなニュアンスです。「専心」の熱心に励むとは、少しだけニュアンスが違いますね。この言葉は「仕事に傾注する」という風に使われます。

「夢中」について

「夢中」は「むちゅう」と読み、この言葉には以下の二つの意味があります。

  1. 我を忘れるくらい物事に熱中することや、その様子
  2. 夢の中
「専心」の類義語としては、1の意味ですね。この言葉は我を忘れるくらいなので、周囲を気にしない、顧みないようなニュアンスを少なからず含みます。「読書に夢中になる」や、「食事に夢中だ」という風に使われます。

また「無我(むが)」と組み合わせた、「無我夢中」という言葉があります。これは「夢中」の1の意味を強調した四字熟語です。

「没入」

「没入」は「ぼつにゅう」、もしくは「もつにゅう」と読み、以下の三つの意味を持っています。

  1. (水などに)沈み入ること
  2. 何かに心を打ち込むこと、没頭すること
  3. 役所や官庁に取り上げること、没収のこと
「専心」の類義語としては、2の意味ですね。この言葉は熱中のあまり、その物事の世界に入り込んでいるようなニュアンスを含みます。そういった感覚を「没入感」と表し、とりわけVRゲームの宣伝などでは、よく使われている言葉です。

「専心」の対義語

「専心」の対義語としては、「両立」が挙げられます。

「両立」について

「両立」は「りょうりつ」と読み、二つの物事が支障なく、成り立つことを表します。一つの物事にだけ取り組む「専心」とは、対照的な言葉ですね。この言葉は「家庭と仕事を両立させる」や、「勉強と部活を両立させる」というように使われます。


人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ